ECサイトの成功のカギはCS!業務内容やポイントを解説。

ECサイトで勝ち抜くためには、製品の質や価格戦略もさることながら、カスタマーサポート(CS)の質が重要な役割を果たします。
この記事では、顧客満足度を高めるCSの重要性に焦点を当て、その業務内容とサービス向上に不可欠なポイントを分かりやすく解説します。
目次
- ECサイトにおけるCS(カスタマーサポート)とは
- カスタマーサービスとの違い
- カスタマーサクセスとの違い
- ECサイトにおけるCSの重要性
- 顧客満足度を高める
- ECサイトの評価を高める
- 成約率を高める
- ECサイトにおけるCSの役割
- フロントエンドにおけるCSの役割
- バックエンドにおけるCSの役割
- ECサイトにおけるCSのポイント
- サイトの改善点を明確にする
- クレームからの炎上を防ぐ
- チャットボットなどAIによる自動化システムを導入する
- 新商品発売やサイトリニューアル時に注力する
- メール・チャットにおけるCSの重視すべきポイント
- 伝わりやすさ|読みやすさ・わかりやすさ
- 柔軟さ|顧客の温度感で文体を微調整
- 迅速で正確な対応|煩雑にならないよう配慮
- 活用したら便利なCS業務ツール4種類
- 顧客情報管理ツール
-
業務ナレッジ共有ツール
- 問い合わせ状況管理ツール
- 問い合わせ自動応対ツール
- CS業務ツールを選ぶポイント
- 導入・運用のハードル
- 機能性
- 対応チャネルの適合性
- CS業務のアウトソーシングも視野に入れよう
- CS業務を外部委託するメリット
- CS業務を外部委託するデメリット
-
【当社例】ECサイトでCSを強化した例
-
アパレルECサイト|チャットボットの導入例
-
化粧品ECサイト|解約希望顧客の対応例
-
コールセンターの人員不足対策|電話応答率が改善した例
- ECサイトやCSの代行なら日本トータルテレマーケティング
ECサイトにおけるCS(カスタマーサポート)とは
ECサイトでは、CSは顧客との直接的なコミュニケーションチャネルです。CSは商品やサービスに関する質問、注文処理、返品や交換の手配、顧客からのフィードバックの情報収集など多岐にわたる業務を担っています。
ECサイトではCSが唯一の顧客との対面接点であるため、その品質がECサイトの評価や売上に直結します。適切なCSは顧客の信頼を築き、リピート購入につながる重要なポイントです。
カスタマーサービスとの違い
ECサイトにおいて、CSはカスタマーサービスの一環ですが本質的にはほぼ同一であり、特にECサイトにおいてはその区別はほとんどありません。
カスタマーサービスはより広範な顧客体験を指し、マーケティング戦略やブランディングも含むことがあります。
それに対してCSは購入前の問い合わせ対応・購入時のサポート・購入後のアフターサービスなど、製品やサービスに直接関わる支援活動に重点を置いています。
カスタマーサクセスとの違い
カスタマーサクセスは顧客が製品やサービスを利用して満足し、成功と感じることを目標とします。顧客満足度と同じ意味合いといえるでしょう。
CSが顧客の問題解決に焦点を当てる一方で、カスタマーサクセスは顧客が製品やサービスを最大限に活用し、ECサイトや商品が高い評価を得ることに重点を置きます。
CSはその業務においてカスタマーサクセス=顧客満足を得て、ECサイトの最終的な成功を目指します。
ECサイトにおけるCSの重要性

ECサイトが躍進する秘訣は、顧客満足度の最大化にあります。高いECサイト評価と成約率を実現するためには、CSが極めて重要です。
ここではECサイトにおけるCSの業務内容と、その影響力をくわしく解説します。
顧客満足度を高める
ECサイトにおいて、CSは唯一の顧客接点として重要です。
電話・メール・チャットを通じて顧客からの声を受け止め、それに対する反応の変化に敏感であることが不可欠です。直接的なコミュニケーションは、顧客の行動の変化やネガティブな意見をECサイト運営へのフィードバックとして活用できます。
顧客の声を取り入れた積極的な改善努力が、顧客満足度の向上に寄与します。
ECサイトの評価を高める
CSは、ECサイトの評価を高める点で重要です。適切なCSを提供することでユーザーは信頼感や好感を抱き、ブランドに対してポジティブな印象を持ちます。
丁寧なサポートは口コミで高評価として広がることがあり、ECサイトの更なる信頼につながります。この信頼感は、ファンマーケティングの観点からも重要です。リピート購入やブランド力向上につながるため、最終的にECサイトの評価と成約率に大きな影響を与えます。
成約率を高める
ECサイトでのCSは、成約率を高めるための重要な役割を担っています。顧客が製品やサービスについて疑問を持ったとき、質の高いサポートは購入を決心する最後の一押しになります。サポートで好印象を抱いた顧客は、商品の購入を決めやすいです。
またクレームの扱い方ひとつで、不満を持っていた顧客がリピーターに変わり他の商品にも興味を持つきっかけになります。
ECサイトにおけるCSの役割

ECサイトにおけるCSの役割は、非常に重要です。
顧客が安心して購入できる環境を提供することで、売上の向上やリピーターの獲得につながり信頼性の高いECサイトを築けます。
フロントエンドにおけるCSの役割
フロントエンドにおけるCSの役割は、主に顧客と直接対話することにあります。具体的にはチャット・電話サポート・メール対応などを通じて、顧客が持つ疑問や問題を迅速に解決します。
またFAQやチャットボットを利用して、顧客が自己解決できる手段を提供することも重要です。これにより顧客満足度が向上し、ECサイトの信頼性が高まります。
フロントエンドのCSは顧客との最初の接点であり、お互いの信頼関係を築く大切な役割を担っています。
バックエンドにおけるCSの役割
バックエンドのCSはフロントエンドのサポート体制を強化し、顧客対応の質を向上させることが主な役割です。バックエンドの効果的な運営が、顧客満足度向上につながります。
顧客からのフィードバックやデータを分析し、商品やサービスの改善点を把握します。また問い合わせ対応履歴の管理や、今後に向けてマニュアルを作成します。
ECサイトにおけるCSのポイント

ここでは、ECサイトにおけるCSの役割についてくわしく解説します。
ECサイト改善点の明確化、クレーム対応の重要性・AIを活用した効率化・新商品発売やECサイトリニューアル時の対応など、CSがECサイトの成功にどのように寄与するかについて具体的に見ていきましょう。
サイトの改善点を明確にする
ECサイトの成功のカギは顧客満足度向上であり、そのためにはCSの質を向上させる施策を実行します。
業務の洗い出しとマニュアルの整備をすると、スタッフの迅速な対応が可能です。問い合わせやクレームへの対応手順、顧客の反応が過熱した場合の対応も明確化しておくと効果的です。顧客アンケートやフィードバックを通じてサービス改善を図ることで、顧客満足度を高められます。
またECサイトの運営ビジョンに沿ったCS方針を定め、KPIを設定することで目標達成を管理できます。
▼ECサイトにおけるKPIの例
・セッション数
・回遊率
・顧客の商品購入率(CVR)
・客単価
・直帰率
・ROAS
クレームからの炎上を防ぐ
ECサイト運営において、クレーム対応は重要なファクターです。
クレームが発生した際には、迅速で丁寧な対応が求められます。不適切な処理は、SNSを通じて炎上につながりかねません。可能な限り速やかな問題の解消が炎上防止につながります。
また顧客の声を反映させることは、今後のサービスの質を向上させるチャンスになります。トラブルが起きてもそれを機に顧客満足度を高める機会と捉え、クレーム対応をECサイト改善に役立てることが大切です。
チャットボットなどAIによる自動化システムを導入する
CSの効率化には、AIによる自動化が欠かせません。特にチャットボットは、顧客対応の初期段階でよくある問い合わせに24時間対応できます。
シンプルな案件をAIが自動対応し、そうでない複雑な問題や特別な要望には人間が介入することで、全体の対応品質が維持されると同時にCS部門の負担軽減が可能です。
AIと人間の適切な役割分担は、顧客満足度の向上に大きく貢献します。
新商品発売やサイトリニューアル時に注力する
新商品発売やサイトリニューアルなどの変化のタイミングにおいて、CSは特に重要性が増します。
サイトが変化するフェーズでは顧客の期待が高まる一方、慣れ親しんだ環境の変化によって顧客離れを引き起こしやすい状況にあります。ここでCSがじゅうぶんに機能していると、顧客を安心させ利用の継続につなげることが可能です。
また変化のタイミングは、不具合やクレームの出やすいタイミングでもあります。CSによる迅速で丁寧な対応や、分かりやすい説明は、信頼関係を維持する上で欠かせません。
メール・チャットにおけるCSの重視すべきポイント

ECサイトで重要視される顧客満足度を高めるためには、メールやチャットサポートの高い質が不可欠です。
ここでは、効果的なコミュニケーションと効率化のポイントを解説します。
伝わりやすさ|読みやすさ・わかりやすさ
ECサイト運営においては、メールやチャットが主な顧客対応手段です。
文字だけのコミュニケーションに情報を詰め込みすぎると、重要な情報が伝わりにくくなる傾向があります。伝わりやすさを意識して、読みやすく分かりやすい表現を心がけましょう。
適宜改行をいれる・箇条書きにするなどの手法を、マニュアル化することも効果的です。
柔軟さ|顧客の温度感で文体を微調整
文字コミュニケーションにおいて、文体は送り手の印象を大きく左右します。メール・チャットの文体は、顧客の状況に合わせて柔軟に調整しましょう。
たとえば商品の購入に不安を感じている顧客へは、マニュアル通りの定型文ではなく安心感を与える優しい文体が理想です。
伝えたいことが一方的に書かれている文面は、冷たい印象で共感を得にくい傾向があります。敬語を用いつつも過剰にならない範囲にとどめ、親しみを込めることで顧客は企業に親近感を持ち、結果として満足度が高まります。
迅速で正確な対応|煩雑にならないよう配慮
ECサイトのCSでは、迅速な対応が重要です。ECサイトの評価においては、対応の早さが顧客満足度に大きく貢献します。早さだけでなく、正確な対応が求められることはいうまでもありません。対応手順を煩雑にしないことが、迅速で正確な対応につながります。
また迅速で正確に対応するには、適切な人員配置・効率的な顧客対応システムの活用・必要に応じた業務のアウトソーシングなどが効果的です。
ECサイトの成功には、バランスの取れた取り組みが重要です。
活用したら便利なCS業務ツール4種類
CS業務を効率化したいときは、作業を補助する業務ツールの導入が効果的です。
ここからは、業務効率向上に有効なツールを4種類紹介します。
業務環境改善や効率向上の参考にしましょう。
顧客情報管理ツール
顧客情報管理ツールとは、顧客に関する情報を効率的に管理できるようにするツールです。
顧客の名前・住所などの基本情報やその他の情報について一元管理できます。
その他の情報としては、利用や問い合わせの履歴、顧客の属性などです。
顧客情報管理ツールを導入すれば、担当者が変更になってもスムーズな引き継ぎが可能で、多彩な顧客ニーズに対応しやすくなります。
また、データ分析にも活用でき、顧客情報からトレンドを予測することで販売戦略を立てやすくなるでしょう。
業務ナレッジ共有ツール
業務ナレッジ共有ツールは、業務から獲得したスキルや知識、経験などを、ほかの人と共有するツールです。
業務を効率的に進めるには、それぞれのスタッフが蓄積した知識や経験を共有する手段が要求されます。
業務ナレッジ共有ツールを導入すれば、情報のファイリングやアナログでの保管・確認が不要になり、効率的な情報共有が可能です。
ツールを用いてデジタルで保存・共有ができるため、欲しい情報をすぐ身につけられ、ナレッジ共有におけるルールや運用方法も定めやすくなります。
問い合わせ状況管理ツール
問い合わせ状況管理ツールは、問い合わせ業務を効率化したいときに有効なツールの1つです。
問い合わせの対応状況を、担当スタッフ間で共有し、重複対応や対応漏れを防止できます。
ツールで情報を保存すれば、どの顧客から問い合わせがあったか、誰が担当したのかまでを情報として保存し、管理・確認できます。
また、複数のチャネルから寄せられる問い合わせが一元管理できるツールを利用すれば、さらに効率的に業務を進められるでしょう。
問い合わせ自動応対ツール
問い合わせ業務を効率化したいときは、状況管理ツールだけではなく自動応対ツールも効果的だといえます。
問い合わせ自動応対ツールは、顧客からの問い合わせに自動で回答するツールです。
導入すると決まった内容の問い合わせに毎回人力で対応する必要がなくなるため、スタッフの負担軽減につながります。
無人対応と有人対応を切り替えられるツールは、必要に応じてスタッフが対応することもでき、顧客が求める答えを返しやすくなります。
CS業務ツールを選ぶポイント
CS業務ツールを選ぶときは、以下の基準に注目しましょう。
導入・運用のハードル
導入が簡単なツールを選べば、導入時の負担が軽減されます。また、費用が予算や会社の規模に合っているかも重要です。
機能性
必要な機能がそろっているかも重要です。社内で複数のツールを使う場合は、ほかのツールと連携できるかどうかも確認しましょう。
対応チャネルの適合性
多様なチャネルに対応できるツールを使えば、顧客の利便性が向上します。複数チャネルを一元管理できるかどうかも重要です。
CS業務のアウトソーシングも視野に入れよう

ECサイト運営においてCSは重要ですが、そちらに人員・費用コストをかけすぎて本業がおろそかになっては本末転倒です。
ここではCSの効率化のために、外部委託を検討することについて解説します。品質の維持と費用のバランスをどのように取るかが、成功へのカギとなるでしょう。
CS業務を外部委託するメリット
外部委託の最大の利点は、専門の会社が持つ技術やノウハウを活用できることです。これによりCS業務の標準化が可能となり、生産性の向上が期待できます。さらに、業務効率化が促進されることで、従業員の負担軽減や人的コスト削減にもつながるでしょう。
質の高いCS体制を維持できることは顧客満足度が高まることであり、ビジネスの成長が期待できます。
CS業務を外部委託するデメリット
ノウハウが社内に蓄積されにくくなるため、将来的に自社で運用する際に移行が困難になるおそれがあります。また情報漏洩のリスクが増加し、顧客データの安全性が低下するケースもあります。
さらに外部委託にかかる費用や、コミュニケーションの問題、品質管理の難しさなどの課題も見逃せません。
これらの点を踏まえた上で、CS業務のアウトソーシングを検討することが重要です。
【当社例】ECサイトでCSを強化した例
CSを強化する際には、何が課題なのか、課題を解決するために何をするとよいのかを考えることが重要です。
ここからは、当社の例から、ECサイトでCSを強化し、課題を解決したケースについて紹介します。
CSを強化したいときの参考にしましょう。
アパレルECサイト|チャットボットの導入例
あるアパレル販売企業では、コロナの影響で実店舗ではなくECサイトで買い物をする顧客が急増しました。
それに伴い、配送料確認や返品対応などに関わる人件費が増加し、業務の効率化・人員削減が求められました。
このとき導入されたツールが、顧客からの問い合わせに自動で対応できるチャットボットです。
チャットボットは有人対応の負担を減らすだけではなく、夜間の問い合わせにも対応できるようになり、機会損失を防ぐ効果もあります。
無人チャットでは解決できない内容についてはシナリオを修正することで、人を介さないフローへと改修しました。
その結果、導入から6ヶ月後、顧客からの問い合わせに対する有人対応を5割削減されたという結果が出ました。
化粧品ECサイト|解約希望顧客の対応例
ある化粧品メーカーでは、新規獲得には力を入れていた一方で、離脱者に対して十分な対策やフォローができませんでした、
その結果、休眠顧客情報が大量にあるものの、それに対して何もアクションを起こせない状態が続いていました。
このとき導入されたのが、キャンペーンDMの送付とそれに合わせたフォローコールです。
フォローコールによって休眠顧客から、商品の解約理由を聞き出せる仕組みを作りました。
これによって休眠顧客に効果的な商品の使い方を説明したり、再契約の機会を創出したりすることに成功しました。
また、セットコースの提案を積極的に行ったことで、客単価の向上にも貢献しています。
再契約を多く獲得できたことで、売上目標の150%に上る成果を獲得できました。
コールセンターの人員不足対策|電話応答率が改善した例
通販業務を取り入れたある企業では、通販の需要向上に伴って問い合わせが増加する一方で、オペレーターの対応が追い付かなくなりつつありました。
これによって、電話応対以外の方法で顧客との接点を強化する施策が求められました。
このとき導入されたのが、ビジュアルIVRツールです。
これを使うことによって、入電した顧客のスマートフォンに対して専用サイトのURLを送信し、オペレーター対応以外での解決方法を提案できます。
導入後、顧客が専用サイトを見て解決方法を自分で探れるようになったことで、入電数の減少につながりました。
これによってオペレーターはコア業務に専念でき、業務効率が改善しました。
そのほか、導入後は受注率や定期購入契約率が向上し、売上向上にも貢献しています。
ECサイトやCSの代行なら日本トータルテレマーケティング

ECサイトの成功には、優れたカスタマーサポート(CS)が不可欠です。内部リソースだけでは対応が困難な場合、アウトソーシングが重要な役割を果たします。
日本トータルテレマーケティングは、豊富な経験をいかした高品質なCS代行サービスを提供しています。顧客からの問い合わせに対してプロフェッショナルに対応し、ECサイト運営者の業務をサポートすることで、顧客満足度向上とリピート率のアップが実現可能です。