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コールセンターを自社で運営するには?起きやすい課題と対処法を解説

2023.03.31
  • コンタクトセンター
  • フルフィルメント

顧客満足度やブランドイメージの向上などを目的として、コールセンターを運営する企業は多いです。近年では、コールセンターの重要性が認識されてきており、新たにコールセンター設置を検討する企業も増加しています。本記事では、コールセンターを自社で運営する際のポイントについて、くわしく解説します。コールセンターを運営する上で起きやすい課題や解決方法についてもあわせて紹介するので、参考にしてください。


コールセンターを運営する上で押さえなければいけないポイント

「顧客へのサポート体制を整えたい」「電話応対の品質を保ちたい」などの理由から、自社でコールセンター設置を検討する企業が増えています。しかし、コールセンターはお客様と直接接触する重要な部署のため、ポイントを押さえなければ企業のイメージを損なうリスクもあり、注意が必要です。まずは、コールセンターを運営する上で押さえておきたい6つのポイントをご紹介します。

運営する目的を明確に設定する

コールセンターを運営するにあたって重要なのは、運営目的を明確に設定することです。目的が不明瞭だと、状況によって運営方針が揺らいでしまい、サービスの質や従業員のモチベーションが低下する恐れがあります。「顧客満足度を上げたい」「解約率を下げたい」など、運営目的は企業によってさまざまです。目的によってプランニングも変わってきます。まずは、「何が課題か」「どのような体制を目指したいか」など、目的を明確にしましょう。

数値目標(KGI/KPI)を設定する

目的が明確になったら、次はKGIやKPIの設定が必要です。

KGI(Key Goal Indicator)とは、「経営目標達成指標」を意味し、「ビジネス戦略目標を達成する成果を示す指標」を表します。KGIの例としては、「顧客満足度で、100点中95点を目指す」ことなどが挙げられます。

KGIが決定したら、次にKPIを設定します。KPI(Key Performance Indicators)とは、「重要業績評価指標」を表し、組織の達成目標に対して「目標達成度合いを評価する評価指標」です。KGIは組織の最終目標ですが、KPIは中間目標の位置づけです。

組織体制を設計する

目的や数値目標を設定したら、組織体制を設計します。組織体制の設計によって、以下のような効果が期待できます。

・指揮命令系統を明確にする
・従業員に戦略を浸透させる
・品質のバラつきをなくす

実際にどのような体制で運営し、具体的に従業員をどのように管理していくかを決めていきます。組織には主に、センター長・SV(スーパーバイザー)・リーダー・オペレーターなどの役割がありますが、業務プロセスや数値目標を考慮して、各役割をまとめていきましょう。

複数ある役割の中でも、特に欠かせない存在がSVです。SVとは「管理や監督を行う要員」を意味し、コールセンターにおいては各オペレーターの指導・管理を担当する役職です。一定水準以上の業務知識、クレーム対応能力、オペレーターに対する人間性などが求められます。SVの存在や能力によって、目標に対する現場の意識も変わるでしょう。

業務プロセスを具体的にする

業務プロセスでは「マニュアルの整備」「運営ルール」「クレーム発生時の相談・報告体制」など、コールセンターを運営する上で必要となる業務方法や体制を具体的に決めていきます。業務プロセスを具体的にすることで、組織マネジメントや人材育成を行いやすくなるでしょう。マニュアルがない場合は、この段階で準備します。また、コールセンター業務を行う上で不足しているシステムの洗い出しも行います。

人材の育成計画を立てる

コールセンターは、顧客との接点となる重要な部署であり、対応する人材のスキルが問われます。しかし、全てのスタッフが始めから高いスキルを持っているわけではありません。そこで、オペレーターの育成が重要になります。具体的に、どのような研修や勉強会を行い、どのレベルまでスキルアップを目指すかを計画することが大切です。

研修や勉強会では、電話口でのコミュニケーション方法をはじめ、トークスクリプトやシステムの使い方など、業務に必要な内容を学びます。あわせて、オペレーターの役割を正しく認識させることも必要です。業務プロセス設計時に作成したマニュアルを活用して、研修や勉強会を進めていきましょう。

現状と未来の課題を把握する

コールセンターの運営で重要なのは、現状と未来の課題を把握することです。どのような課題に直面し、どのように改善していくかをしっかりと認識しておく必要があります。コールセンターは慢性的な課題のほかにも、状況によって新たな課題が生まれることもあります。各課題を解決するためにも、一般的に起きやすい課題や解決方法を知っておくと安心です。

コールセンターを運営する上で起きやすい課題

コールセンターで起きやすい課題を把握しておくこともポイントです。こちらでは、一般的にどのような課題が発生しやすいかを具体的にご紹介します。

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人材が不足してしまう

コールセンターだけでなく、さまざまな業界・業種で問題となっているのが人材不足です。コールセンターで働くオペレーターは、世間的に「クレーム対応が大変そう」「ストレスが溜まりそう」などのイメージが強く、人が集まらないという課題を抱えています。また、せっかく人材が集まっても、待遇が悪いことや、クレーム対応などによるストレスが原因で、離職率が高いのが現状です。離職率が高いと、優秀なオペレーターの育成が難しくなります。慢性的なオペレーター不足で、人材育成にも十分な時間をかけられなくなってしまい、負の連鎖が続いてしまう恐れもあります。

業務効率が上がらない

コールセンターのオペレーター業務というと、「電話応対のみ」というイメージがあります。しかし、実際は電話応対だけではなく、電話応対後のメール送信や顧客データの入力作業など、さまざまな後処理作業もあり、膨大な時間がかかるのが現状です。顧客への応対を丁寧にすればするほど、時間がかかってしまうのも難点です。そのため「コールセンターを設置しても、想定していたよりも業務効率が上がらない」と感じる管理者は多いでしょう。業務効率を上げるためには、作業がスムーズに進むようなシステム導入を検討するのもおすすめです。

応対品質がオペレーター個人に依存してしまう

オペレーターによって、応対品質にバラつきが出てしまうのも、課題のひとつです。経験が浅いオペレーターが誤った対応を行い、クレームに発展するケースも少なくありません。オペレーターには商品知識のほかにも、顧客の言いたいことや、立場を理解するスキルが求められます。教育プログラムを充実させ、コールセンター全体の応対品質を可能な限り均一化・標準化して、応対品質にバラつきが出ないようにする対策も必要です。

費用対効果が事前に設計できない

テレアポやセールスを行うコールセンターでは、架電数などの具体的な数値で成果を図ることができます。しかし、問い合わせ対応やクレーム対応などを行うコールセンターでは、「本当に顧客が納得したのか」「コールセンター設立によって、収益にどのくらい影響したのか」などの効果を数字で表しにくいです。費用対効果が低いとみなされれば、経営陣からコストの見直しを求められるケースもあるでしょう。オペレーター自身も具体的な数値で評価されにくいため、やりがいやモチベーションが保ちにくいという課題があります。

コールセンターの運営で起きやすい課題の解決方法

コールセンターでは、慢性的な課題のほかにも、状況によってさまざまな課題が生まれます。予測できる運営面の課題に対しては、可能な限り具体的な解決方法を検討しておくのも良いでしょう。こちらでは、コールセンター運営で起きやすい課題を解決するのに適した3つの方法をご紹介します。

チャットボットによる一時応対の効率化

人手不足を解決する一助となるのが、チャットボットです。チャットボットとは、AI(人工知能)を活用した自動応答プログラムです。

自社商材を紹介するサイトや、ネットショップの商品ページなどにチャットボットを設置すれば、顧客からの質問を受け付けられます。疑問がチャットボットで解決できれば、顧客はわざわざコールセンターに問い合わせる必要がなくなるでしょう。AIが機械学習を重ねれば、複雑な相談内容にも対応できるようになります。

チャットボットを導入することで、問い合わせの90%以上を解決できるようになった例もあります。チャットボットの種類によっては、月額数千円程度で利用できるものもあります。オペレーターの人数を確保できない場合は、チャットボットの活用を検討しましょう。

自社サイトにFAQを設置する

自社サイトにFAQを設置すると、問い合わせの件数を減らすことが可能です。Webサイトの問い合わせページに「よくある質問」と題したFAQコンテンツを準備しておけば、顧客自身で疑問を解決できるようになるでしょう。問い合わせ件数自体が減るため、コールセンターをより少ないコストで運営できるようになります。

近年は、通話中にオペレーターが利用できるFAQ検索システムも増えています。蓄積されたさまざまな顧客の要望や問い合わせ内容のデータの中から似たような案件を呼び出せるので、スムーズな回答ができるようになります。

教育・評価制度を充実させる

オペレーターは失敗を繰り返すと、自信をなくしたりストレスを抱えてしまったりします。オペレーターの失敗をなくすためには、研修や勉強会が必要です。さらに、顧客からの問い合わせにスムーズに回答できるように、商品知識や事業内容が学べる研修・勉強会を開くことも重要です。継続的に教育を実施することで、スキルのバラつきを防ぎ、コールセンター全体の対応力の底上げもできるようになります。

さらに、オペレーターの離職を防ぐために、働きやすい環境づくりを整えるなどの取り組みも必要です。インセンティブ制度や正社員への登用制度などの制度を充実させ、オペレーターがやりがいを保てるような仕組みづくりを行わなければなりません。一定の勤続年数やKPI達成の貢献度などに対して、表彰制度を設ける方法もあります。些細な取り組みのように感じられますが、オペレーター自身が「評価されている」と実感できることがモチベーションの向上にもつながります。

コールセンターの運営でキーマンとなるSV(スーパーバイザー)の育成について

コールセンターの運営で欠かせないのがSVの存在です。SVの役割や重要性は先にもご紹介しましたが、こちらではSVに向いている人材やSVを育成する方法について具体的に解説します。

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SVに向いている人材

SVは、一般的にコールセンターにおける管理・監督を行います。各オペレーターの指導や管理を任されるため、オペレーターに対して平等に接することができる人間性が求められます。

一口にコールセンターといっても、企業によってやり方はさまざまであるため、従来のやり方にとらわれず、企業の環境や雰囲気に合ったやり方で仕事を進められるような柔軟性も求められます。SVにはさまざまな対応能力が求められますが、SVが居ないと業務が滞る状況では困ります。属人的ではない手法で周りの協力も得ながら、チーム一体となってルールに従った業務を行うことが大切です。

SVを育成するには

SVを外部から採用するのもひとつの方法ですが、外部から採用した場合は、相応の報酬を支払う必要があります。ただし、SVの業務内容は企業によって異なるため、報酬が高くてもSVとしての能力が自社で発揮できるかどうかは不明です。場合によっては、オペレーターの中からSVに向いている人材を探して、育成するほうが効率的です。

オペレーターからSVを育成する場合は、必要な知識とスキルを定義した教育カリキュラムを備えなければなりません。また、SVの任命基準を明確にしたり、仕事内容やレベルに応じた処遇を与えることも必要です。オペレーターがSVを目指したくなるような処遇を用意できれば、育成もスムーズに進むでしょう。SVになった後も継続してスキルアップさせていく計画を明示しておけば、SVを目指す人も安心できるため、希望者が増加するでしょう。SVが困った場合のサポート体制や、業務に役立つ機能を搭載したシステムを準備することも大切です。

運営に困ったら外注の検討も

コールセンターの運営は社内で行う方法もありますが、外注する手もあります。「全てを自社で行う」「一部を外注する」「全てを外注する」など、パターンはさまざまです。方法によってコストも変わってくるので、自社運営と外注のメリット・デメリットを知っておくとよいでしょう。

全ての運営を自社で行う場合、リアルタイムで顧客とのやり取りをチェックしたり、ノウハウを蓄積したりできます。 ただし、立ち上げまでに時間やコストがかかる点や、従業員の負担が重い点がデメリットです。

コールセンター運営を外注で行う場合は、立ち上げまでのスピードが早く、顧客対応のプロが応対してくれる点がメリットです。ただし、自社にノウハウが蓄積できず、トラブルが発生した場合は解決までに時間がかかります。また、セキュリティ上のリスクがある点もデメリットと言えるでしょう。

自社で運営を行う場合と外注する場合のどちらがよいかは、企業の規模や取り扱う商材、コールセンターの規模や目的・目標によって変わります。

まとめ

今回は、コールセンターを自社で運営する場合に押さえておきたいポイントをはじめ、運営する上で起きやすい課題や解決方法について解説しました。コールセンターを自社運営する場合は、SVの存在や従業員の負担を減らすような工夫も大切です。ぜひ、ご紹介した内容をコールセンター運営の参考にしてください。


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