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倉庫管理・在庫管理の内容や効率化・システム化についてわかりやすく解説

2024.01.23
  • フルフィルメント

倉庫管理や在庫管理、運営について一通り知りたいEC事業関係者の方はいらっしゃるでしょう。また、倉庫管理を効率化するためのレイアウトやシステム化について知りたい物流関係者の方、あるいは経営者の方もいらっしゃると思います。
この記事では、倉庫管理の内容や管理を効率化する方法について、わかりやすく解説します。


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倉庫管理とは

倉庫管理とは、倉庫内の各種業務の管理全般を指しますが、個別には以下のような内容があります。

・入荷・出荷の管理
・在庫管理
・商品管理
・設備管理
・人員の管理

顧客から預かった大切な商品について求められるタイミングで入出荷を行い、在庫を適正に保ち、安全に管理することが求められます。
取り扱う商品の形態や性質によって管理方法が異なり、倉庫の設備・規模もさまざまであるため、現場に最適な方法で管理する必要があります。

倉庫管理の目的

倉庫管理の目的は、以下のような内容をすべて含めたものと考えられます。

・必要とされる時間に遅滞なく入荷、出荷を行う
・品目、宛先を管理し正確な出荷につなげる
・余剰、欠品なく在庫数量を適正に管理する
・商品の破損、劣化が生じないように管理する

倉庫管理サービスの質は、これらが維持できるか否かにかかっており、業務の正確性・迅速性・安全性を高めることで目的を果たせます。処理が煩雑であると効率が低下することがあります。そのため、さまざまな商品を扱う作業をできるだけシンプルにすることが求められます。

在庫管理との違い

在庫管理は倉庫管理に含まれる業務で、余剰・欠品なく在庫数を適正に管理することや発注の管理、商品の棚卸しなど、倉庫管理の中心となる在庫の管理業務を指します。

倉庫管理は入出庫の管理や倉庫運営に必要な設備資材の維持管理、システムや情報・人員の管理など、倉庫に関わるあらゆる業務管理をトータルで行うものです。
在庫管理が滞りなく実施できるような環境整備も、重要な業務です。

倉庫業法について

倉庫業を営む場合に守るべきことを定めた法律が、「倉庫業法」です。
倉庫業法は、倉庫業の適正な運営と倉庫利用者の利益保護、倉庫証券の円滑な流通を確保することを目的としています。なお、倉庫証券とは倉庫業者が顧客の要請によって発行する証券で、保管証明の意味を持つ有価証券です。

個人や自社の物品を保管する自家用倉庫ではなく、顧客の荷物を預かる営業倉庫における荷主の利益を保護し、円滑な営業活動を行うための法律といってよいでしょう。

倉庫管理の業務内容

倉庫管理の幅広い業務内容のうち、商品の流通に関わる「入庫」と「出庫」について解説します。
日常的な物の流れに直接関係する業務であり、正確で迅速な運用が求められますが、人手による作業が重要なポイントとなる業務といえます。

入庫

入荷した商品と数量を確認して正しく保管できることが入庫業務の役割です。
まず、届いた品物の荷降ろしを行い、入庫伝票と照合させます。
次に、荷物の中身が正しいかや、破損などしていないかを確認するために検品を実施。置き場所を決めるために仕分けを行ったのち、保管場所(ロケーション)に格納したうえで在庫を計上します。

出庫

在庫商品を必要な数量だけ取り出して、正しく出荷することが出庫業務の役割です。商品を保管場所から取り出し(品出し・ピッキング)出荷すべき商品か否か、破損・劣化などしていないか、数量が揃っているかなどを検品します。補充や発注などの在庫管理のデータに反映するため、現有在庫の数量を確認して記録することが必要です。
その後、商品を梱包して出庫伝票を貼り付け、中身と相違ないか照合させたのち、出荷します。
入出庫の間に商品に変化がないことにも注意して、保管の信頼性維持に務めます。

在庫管理の業務内容

在庫管理は、現在倉庫にある品物と数量を確認したうえで発注時期や発注量を管理する業務です。
返品の際には在庫量の修正や発注の変更などが発生するため、イレギュラーな処理にも柔軟で正確な対応が必要となります。
余剰在庫や欠品があると利益に影響が出るため、在庫数を適正に保つことが取引上においても、経営においても重要といえます。

倉庫管理に必要な人材

倉庫管理を円滑に行うために、適した人材を配置することは極めて重要です。
さまざまな荷物を大量に扱うため体力のある人材が必要とされますが、雑貨などの軽量な荷物を扱う倉庫では必ずしもその必要はありません。女性が活躍できる場も多いでしょう。
黙々と作業することが多い反面、スタッフ同士の連携も必要で、集中力と適度なコミュニケーション能力が求められます。
顧客から預かっている大切な商品を丁寧に取り扱い、責任を持って管理できる人材が望ましいといえます。

倉庫管理主任者

営業倉庫には、倉庫ごとに「倉庫管理主任者」の選任が義務付けられています。
主任者の業務内容は、火災の防止など倉庫と設備を適切に管理することや、保管業務の運営、労働災害の防止などがあります。

倉庫管理に必要な知識・スキルを持った人を選任する必要がありますが、実務経験者でない場合でも国土交通省が定める「倉庫管理主任者講習」を受講して修了すれば、選任が可能です。
倉庫管理主任者講習は一般財団法人日本倉庫協会が主催する民間の資格講習です。

倉庫管理の3つの課題

倉庫を効率的に運営するために、倉庫管理に求められる課題があります。
自動化されていない倉庫では人的な課題がとくに重要視されるほか、倉庫管理には在庫の適正化など利益に関わる課題が存在します。
これらについて、解説しましょう。

人手不足の解消

倉庫作業は肉体的で黙々とした作業であり、集中力が必要なため、従事する人が限られるのが現状です。物流拠点が複数ある場合は、すべてに管理者を含めた人員配置が必要となります。
作業に精通したベテランを配置すると効率は上がりますが、個人のスキルに頼りすぎてしまうと、人材を増やす観点から問題が生じ、サスティナブルとはいえないでしょう。
作業の標準化、マニュアル化をしっかりと行い、従業員の作業品質を向上させることが重要です。

ヒューマンエラーの防止

倉庫管理は正確性が求められますが、人間はしばしばミスをします。
数量のカウントミス、商品のピッキングミス、スキャンミスなどによって在庫が正しく把握できない状況や、誤出荷が発生します。
誤出荷や連絡先の誤りなどは個人情報の漏洩につながり、顧客からの信頼を失うでしょう。
複雑な作業を単純化し、標準化・マニュアル化することによって個々の従業員の作業品質を上げることが必要です。
システムを活用した作業管理や情報共有も、このようなヒューマンエラーを防止することに役立ちます。

在庫の適正化

過剰在庫や欠品、発注を管理することで、在庫の適正化を図ります。
商品の種類を多く扱う倉庫では、人間の手ですべての在庫を正確に管理することは難しいため、システム化が必要でしょう。
在庫管理システムでは、検品などのタイミングで正確に在庫データを入力すれば、各種データを自動で管理するため効率的な在庫管理が行えます。

倉庫管理の効率化

倉庫管理を効率化するには、レイアウトの改善や業務フローの見直し、標準化が必要です。
多岐にわたる商品を扱う場合は、複雑な処理をシステムが受け持つようにすれば、迅速で正確な管理が行えるでしょう。
それぞれの概要について、解説します。

倉庫管理マニュアルの整備と徹底

作業の標準化のため、倉庫管理マニュアルを整備する必要があります。
業務に精通した担当者のノウハウが、各スタッフに共有されていないと属人化が起きます。そうならないよう、新人が見ても理解できるわかりやすいマニュアルを作成します。

また、5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)を徹底し、日常的な倉庫の維持管理と作業の効率化を図ることも重要です。整理・整頓は作業性をよくし、清潔・清掃は商品管理や機器の不具合・事故防止の観点でも有効です。躾は、個々のスタッフの基本動作を身につけることにつながるでしょう。

倉庫内レイアウトの改善

倉庫内のレイアウトは作業効率に大きく影響します。
適切な棚の構成と商品の出し入れの仕方を決めるロケーション管理を実施したり、空きスペースを削減したりなど、レイアウトを最適化することで作業効率がアップし、管理コストや所要時間の削減にもつながるのです。

ロケーション管理には、以下のような方法があります。

・固定ロケーション:商品の種類ごとに保管場所を決める
・フリーロケーション:都度、空いているスペースに商品を置く
・ダブルトランザクション:保管する場所と、ピッキングする場所をわける

倉庫管理システム(WMS)の導入

倉庫管理システム(WMS)の導入によって、倉庫作業をトータルで効率的に管理できます。WMSは、Warehouse Management Systemの略です。
システムが発行したバーコードをハンディターミナルで読み取ることによって、実物とデータの整合性を高めます。
入力された正確なデータをもとにして、入出荷・在庫・棚卸しの管理や帳票・ラベルの発行などを、システムが一元的に管理して各種の作業を強力にサポートします。

システム導入の効果

バーコードをハンディターミナルで読み取るなど、入力ミスが生じない方法でデータを入力するため、人為的なミスが低減できます。
返品が発生した場合の在庫数の修正や発注の変更など、煩雑な数値処理を素早く正確に行えるため業務の効率化が可能です。
在庫や入出荷の状況をリアルタイムで共有して把握できるほか、ロケーションを変更した場合でも関連する作業管理が混乱することなく変更されます。限られたスペースを柔軟に活用してコストを抑えた管理が可能です。

システム導入の注意点

倉庫管理システムを導入する場合、導入目的を明確にする必要があります。
システムを導入して軌道に乗るまでには時間が必要で、システムそのものの導入費用以外にも、人材の教育や配置のための費用がかかるのです。
倉庫管理システムにはさまざまオプションがあり、業務に合わせて選択することで最適化できますが、導入目的が明確でないと不要な選択をしてしまったり、効果の評価が曖昧になったりします。
その結果、費用対効果が十分に得られず、利益も上がらない状況に陥る場合があります。

倉庫管理はアウトソーシングがおすすめ

倉庫管理には正確性、迅速性、安全性が求められます。
ヒューマンエラーは業務を混乱させ、顧客の信頼を失うきっかけになるため、倉庫作業の標準化やシステム化は重要なポイントだといえます。

信頼性のある倉庫管理を自社で行うには、時間もコストも人材も必要です。当社でもフルフィルメントサービスを提供しています。フルフィルメントサービスをアウトソーシングすることで、比較的短期間で効率的な倉庫管理が可能になるでしょう。


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