• TOP /
  • コラム /
  • 自治体DXとは?推進目的や課題をわかりやすく|2024年6月最新

自治体DXとは?推進目的や課題をわかりやすく|2024年6月最新

2024.07.09
  • 公共BPO

自治体DX(Digital Transformation Local Government)とは、地方自治体がデジタル技術を活用して行政サービスの改善や効率化、住民参加の促進を進める取り組みのことです。
従来のアナログな手続きや業務をデジタル化し、情報の共有や処理の効率化を推進することで、行政の効率性やサービスの質を向上させることを目指します。
以下では、自治体DXの概要と推進の目的、これからの課題についてくわしく解説します。総務省の見解をベースに解説しているため、自治体職員の方はぜひごらんください。

2024年6月時点での公式見解をもとに、最新の情報を追記しました。

目次


BPO_サービス_日本トータルテレマーケティング_バナー

自治体DXとは

自治体DXとは、自治体(市町村や都道府県)がデジタル技術を活用し、行政サービスの改善や効率化を図ることです。
自治体でDXを導入する目的は、住民サービスの向上や経費削減、行政の透明性明示など、よりよい行政サービスを提供することにあります。
自治体がDXに取り組み、住民サービスの一部をオンライン化することで、利便性が期待できます。
また、データを活用すると、適切な予算配分や住民ニーズの把握がしやすくなり、より効果的な行政運営を目指せます。

2024年6月|自治体DXにおける総務省での公式見解

「自治体DX推進参考事例集」では、地方自治体がDX推進に向けた施策を実施する際に参考にできるよう、成功事例がまとめられています。
ここでは、それぞれの要素について解説します。

体制整備(CIOの任命・外部人材の登用)

自治体がDX推進に取り組むためには、組織体制の整備が必要です。具体的には、DXを推進する部署の設置や、関連業務の一元化・統合などが挙げられます。
DX推進には、デジタル技術に精通した人材が必要です。しかし、地方自治体においては、デジタル人材の確保が難しい課題があり、具体的な対策として、複業人材の募集や民間企業と連携しての研修があげられます。
2024年4月に公表された内容ではCIOを任命している地方自治体が半数以上であるものの、その多くは副知事や副市長などの兼任です。

CIOとは地方自治体のDXプロジェクトを推進する役割を担う人、CIO補佐官は、CIOのサポートを担う人です。総務省は自治体DXの推進に向けて、CIOを専門的な知見からサポートするCIO補佐官などの役割が重要だとしています。

市町村がCIO補佐官として外部人材を任用するための経費について、総務省は特別交付税措置を講じています。またCIO補佐官候補の望ましいスキルや経験など、自治体DXの推進に求められる情報を発信する対応を始めました。

自治体DXの成功には、適切な体制整備が不可欠です。自治体のDXを加速させるために、総務省は地方自治体に対してさまざまなサポートをしています。

行政サービスの浸透・強化

自治体がDXを推進する際には、職員の業務プロセスやワークスタイルの見直しも必要です。具体的には、ペーパーレス化やテレワークの導入などがあげられます。

2024年4月に公表された内容ではシステムを導入して終わりではなく、浸透させ利便性を高めた事例が紹介されています。

たとえば福島県昭和村では、わずか8ヶ月で全庁的な電子決裁を実現しました。
同村では紙ベースの事務処理による業務負荷と、コロナ禍におけるリモートワーク環境の整備が課題とされていました。ローコード・ノーコードツールを活用したアプリを内製し、全庁的な電子決裁を実現に成功しています。

熊本県小国町では、災害時の被災状況報告アプリを作成しています。
同町では、感染症対策のため無償提供された検温レポートアプリを活用して被災状況報告アプリを作成しました。アプリ導入の結果、被災状況報告書の作成業務の軽減と被災状況の速やかな把握を実現しました。

福島県会津若松市では住基台帳と地理情報システムを連携させた統合GISを導入し、防災や地域施策に役立てています。
同市の取り組みは避難情報の迅速な提供のほか、バス路線再編の検討を含め災害時以外の対策にも役立てられています。

行政サービスの浸透や強化の成功事例は、他の地方自治体にとっても参考となるでしょう。

デジタルデバイドの対策

2024年6月に公表された内容では、自治体DX推進においてデジタルデバイド対策の必要性が強調されました。

高齢者や障がい者など、デジタル活用が困難な住民は一定数存在しています。自治体DXが推進され恩恵を受ける人がいる一方、そういった住民は行政サービスを十分活用できずデジタル格差が生じています。

具体的なデジタルデバイド対策として、デジタル活用支援を広く周知させる取り組みが推奨されています。
自治体デジタル化の恩恵がすべての住民に行きわたるよう、総務省は地方自治体に対して一層の対策強化を求めています。

自治体DX推進の目的

総務省で公表されている自治体DX推進の目的は以下の3つです。

1.住民の利便性
2.行政サービスの向上
3.データ活用による新たな価値の創出

また上記の内容に対して、民間企業と連携しながらDXに取り組んでいる自治体が多く存在します。くわしくは後述しますが、目的を達成させる身近な重点取組事項として「マイナンバーカードの普及促進」「テレワークの推進」などがあります。

自治体DXに取り組むメリット

自治体DXを推進すれば、より利便性の高い行政サービスを提供でき、地域の発展につながるとされています。
以下で、自治体DXに取り組むメリットを紹介します。

役所内の業務効率化を図れる

オンライン手続きを導入することで、市民が来庁する必要がなくなり、窓口での業務削減が期待されています。
また、手続きの情報をデータ化すると役所内での情報共有がスムーズになり、業務効率化にも役立つでしょう。業務の自動化が進めば市民からの申請書受付や処理を自動で行えるようになり、手作業での業務を減らせます。同時に、職員の意識改革やスキルアップができれば、さらに自治体DXの発展につながることが期待できます。

地域社会全体のDXを進められる

地方自治体がDX化に取り組むことで、地元企業や地域住民にもDXの恩恵が波及し、地域経済の発展につながる可能性があります。
地域内の公共サービスや行政業務のデジタル化が進めば、日常生活でもデジタル技術を利用することが一般的になるでしょう。これにより、中小企業や農林漁業などの産業界がDXに取り組むきっかけになります。自治体が先陣を切ってDXに取り組むことで、住民や産業界がデジタル技術をより身近に感じられるのです。
また、情報公開ポータルサイトの充実や、行政情報の一元管理・共有化によって行政の透明性が向上し、自治体への信頼度も上がります。

個人情報の漏えいを防げる

紙媒体で保管されていた個人情報をデジタル化すると、手続きや申請がオンライン化でき、申請書類の紛失や誤配送のリスクを減らせます。
さらに、自治体が持つ個人情報を厳重に管理することで、個人情報漏えいによるトラブルを未然に防げます。市民のプライバシー保護を確保し、信頼を高められるのです。
ただし、デジタルデータの取り扱いにはセキュリティ対策が必要とされるため、情報漏えいに関しては、メリットと同時にリスクを考慮した対策が求められます。

公共BPO_サービス_日本トータルテレマーケティング

自治体DXの取り組み例|7つの重要取組事項から紹介

自治体DXとは、自治体がデジタル技術を活用して業務を効率化し、住民サービスの向上を図る取り組みです。
自治体DXに取り組むことで、業務の効率化だけでなく、省力化、住民サービスの充実などが期待できます。
ここでは、2024年4月時点での情報を元に、自治体DXの取り組み例を7つの重要取組事項から紹介します。

出典:自治体デジタル・トランスフォーメーション (DX)推進計画 【第 3.0 版】

情報システムを標準化・共通化すること

情報システムの標準化・共通化とは、自治体が保有する情報システムを共通の基準に基づいて標準化し、業務の効率化やコスト削減を図る取り組みです。
具体的には、システムの統合や共通したデータモデルの確立、システムのセキュリティ強化などが挙げられます。
また、情報システムの利用者(自治体職員)に対して教育・訓練を実施することも、システムの効果的な活用を促進できるといえます。

マイナンバーカードの普及を促進させること

マイナンバーカードの普及を促進させることも重要な取り組み事項です。
たとえば、マイナンバーカードの出張申請サポートや電子申請システムの導入、スマホアプリでの申請書作成などです。市民がより利用しやすいと思える環境を整える必要があります。
また、近年では、マイナンバーカードを活用した新たなサービスの提供も検討されています。
一例として、自治体の図書館での貸出サービスをマイナンバーカードで利用できるように行えば、住民の利便性をさらに向上させられるでしょう。

AI・RPAの利用を推進すること

AIとは、人工的に作られた知能のことで、人間の知能を模したプログラムを、コンピューターや機械に実装したものです。
RPAとは、コンピュータープログラムを使って業務プロセスを自動化し、人的ミスを減らしたり業務効率を向上させるものです。
これらは、両者ともにビジネスにおいて多くのメリットが期待されているものです。自治体DXにおいても、これらの技術を活用することで、行政サービスの向上や効率化を図れるでしょう。

テレワークを推進すること

テレワークはオフィスに出勤する必要がなく、自宅やカフェなどの場所から仕事ができる働き方です。
自治体DXにおけるテレワークの取り組み例としては、有識者会議のオンライン参加があります。自治体が主催する有識者会議や委員会については、オンラインでの参加を促進することで、交通費や時間の削減、地理的制約の緩和などのメリットを享受できます。

【2024年6月追記】セキュリティ対策は万全にすること

地方自治体は個人情報が集約されやすいため、セキュリティ対策に力を入れる必要があります。システムの防御強化だけでなく、職員一人ひとりの意識向上も含まれます。

具体的なセキュリティ対策例は、以下の3点です。

  • 情報セキュリティ体制の最高責任者であるCISOの任命
  • インシデント対応チームであるCSIRTの設置
  • 有事の対応策(ICT-BCP)の整備

地方自治体には、セキュリティ対策を総合的に推進し、誰もが不安なく自治体DXの恩恵が受けられる社会の実現が求められています。

CISO・CSIRT

セキュリティ対策を万全にするためには、CISO(最高情報セキュリティ責任者)の任命とCSIRT(セキュリティインシデント対応チーム)の設置が不可欠です。

近年、サイバー攻撃は巧妙化しており、自治体システムが被害を受ける例も少なくありません。組織全体の情報セキュリティ戦略を策定するCISO、サイバー攻撃発生時に迅速に対応して被害を抑えるCSIRTの役割は重要です。

セキュリティリスクに適切に対処するため、CISOとCSIRTの両輪による専門的な体制整備が求められます。

有事の対応(ICT-BCP)

自治体DXの推進において有事の対応(ICT-BCP)は、住民サービスを継続するためにとても重要です。

起こりうる緊急事態を明確に想定し、必要な復旧・運用体制を具体的に定めます。選定しただけで終わるのではなく、訓練を定期的に行い体制を見直すことが大切です。

適切な初動対応と速やかな復旧ができるように、平時から危機に強い体制を構築しておくとよいでしょう。

【2024年6月追記】自治体フロントヤード改革を推進すること

自治体フロントヤード改革とは、自治体DXを推進し住民と行政の接点を見直すことです。
自治体DX推進によって、従来の窓口対応に加えオンラインでの住民サービスの申請やチャットボットによる情報提供などが可能になりました。サービスやプロセスをデジタル化することで、住民の利便性向上、職員の事務処理の軽減などにつながります。
市民と行政の双方にメリットがあるため、地方自治体はスピード感を持って取り組むことが期待されます。

【2024年6月追記】公金収納でeLTAXを活用すること

eLTAXとは、地方税の手続きをオンラインでおこなうシステムです。
自治体DX推進において、公金収納におけるeLTAXの活用は、業務効率化と住民利便性向上を実現するための重要な取り組みといえます。

eLTAXの活用が進むと、納税者は24時間好きな場所で簡単に税金を支払えます。地方自治体側では、リアルタイムでの収納状況の確認や処理が可能です。

公金収納でeLTAXを活用することはさまざまなメリットがあるため、地方自治体は積極的な導入を検討するとよいでしょう。

自治体DXに取り組む流れ

自治体DXに取り組む流れは、以下の通りです。

1.認識共有:自治体の職員や関係者に対し、自治体DXに関する説明や情報共有を行い、重要性や課題を認識してもらう
2.全体方針の決定:自治体全体での方針を決定し、目標を定める
3.推進体制の整備:組織内にDX推進部署を設置する
4.DX取り組みの実行

また自治体DXに取り組む際は、外部の専門家やベンダーなどと連携し、必要な技術やノウハウを取り入れることが重要です。

自治体DXに取り組むときのポイント

自治体DXを成功に導くためには、以下7つのポイントを意識した取り組みが不可欠です。

  • 現状課題の整理
  • 長期的な視点でのDX化施策策定
  • DX化推進体制の整備
  •  多様な主体との連携
  • 小さな成功体験の積み重ね
  • 継続的な改善
  • 全職員のDXリテラシー向上

これらのポイントに取り組む前には、業務プロセスの見直しをしましょう。

またデジタル化の範囲を徐々に広げて、CISOの導入やCSIRTの設置などできることから実施するようにしましょう。

民間企業が提供するローコード・ノーコードツールの活用や、先行事例を持つ他の地方自治体との情報共有も有効です。

全職員がDX化の必要性を理解して取り組めるよう、研修や情報提供をおこないます。

地方自治体全体が少しずつ取り組むことで、持続可能な自治体DXの実現に近づきます。

自治体DXを導入する際の課題と対策

自治体DXを導入するためには、さまざまな課題があり、これらの課題に対して万全の対策方法をとることが必須です。
以下では、自治体DXを導入するための、課題と対策を表で紹介しています。
導入する際には、これらを参考にしていただけると幸いです。

 

課題 対策
DXに関する財源確保の難しさ ・自治体の予算見直し
・国や地方自治体が提供する補助金、助成金を活用
職員のITリテラシー ・DXに関する研修やワークショップを実施
・システム利用時のマニュアル作成・提供
個人情報のデータ漏えい ・情報セキュリティマネジメントシステムの構築
・セキュリティ教育・トレーニングの実施
・セキュリティ対策に特化したベンダーとの連携
既存システムとの連携 ・APIの開発
・システムの改修
・システムの統合

 

なお、自治体職員での取り組みが難しい際には、外部の委託業者と連携することがおすすめです。

【自社事例】自治体DXに関する弊社システムの導入例

日本トータルテレマーケティング株式会社は、自治体DXを推進するシステムを提供しています。
ここでは、具体的な導入事例を紹介します。

臨時福祉給付金事務局の運営サポート

日本トータルテレマーケティング株式会社のワンストップ体制と独自の審査システムは、臨時福祉給付金事務局の運営サポートにおいて、地方自治体の業務負担を軽減し迅速な給付を実現しました。

申請受付から審査、振込までの一連の流れを、自社開発の審査システムと総合的なサービス管理で支援しています。

運営サポートによって、担当事務局は短期間で設立が可能となりました。品質と速度の両立が実現し、市民への迅速な給付を支援することに成功しました。

プレミアム商品券事務局の運営

プレミアム商品券事務局の運営サポートにおいて、業務フロー立案から運営までをワンストップで支援し、地方自治体の業務効率化と円滑な事業運営に貢献しました。

プレミアム商品券事務局には、取り扱い店舗数を増加させる・住民に告知するなどの短期間で解決すべき課題がありました。弊社では、事務局の立ち上げから店舗募集にいたるまで、一連の業務を総合的に支援可能です。

支援の結果、担当職員の作業負担を軽減し商品券事業の運営効率化を実現しました。

熊本県ご当地キャラクターの利用許諾事務局の運営

熊本県のご当地キャラクターの利用許諾事務局運営において、弊社は業務の効率化とスピードアップに成功した実績があります。

担当部署では、県ご当地キャラクター事業の増大とともに申請業務が複雑化している悩みがありました。

弊社の支援によって申請プロセスのデジタル化とガイドラインの整備が実現し、事務作業の速度と精度を大幅に向上させることに成功しました。
また作業負担の軽減は、新たな施策に注力できる環境づくりにつながりました。

自治体DXについて知っておきたい資料・トピック

自治体DXの推進にあたり、押さえておきたい資料や話題をご紹介します。

【2024年版4月最新版】自治体DX推進計画の関連資料

自治体DX推進計画の関連資料である「自治体DX・情報化推進概要」と「自治体DX全体手順書」は、自治体DXを成功へと導く実用的なガイドです。

「自治体DX・情報化推進概要」は総務省が毎年実施している調査結果をまとめた文書で、他の地方自治体のDX化の進捗状況を把握できます。
「自治体DX全体手順書」には、自治体DX化施策を段階的に推進するための具体的な手順が紹介されています。

地方自治体は2つの資料を活用することによって、戦略的な計画立案とスムーズな施策展開が可能です。

自治体DXダッシュボード|取り組み状況が一覧で確認できる

自治体DXダッシュボードは、全国の地方自治体のDX推進状況を一覧で確認できるツールです。自治体DXの進捗状況を一覧で把握できるため、自分たちの取り組みの進捗状況を確認したり、先行する地方自治体の取り組みを参考にしたりが可能です。

自治体DXダッシュボードを活用することで、取り組みの遅れを早期に発見し持続可能なまちづくりを実現できます。

自治体業務のアウトソーシング

自治体DX推進において、アウトソーシングは業務効率化と職員負担軽減を両立させる有効な手段です。

専門知識やノウハウを持つ外部業者の協力を得ることで、地方自治体職員は他の業務に集中し、住民サービスの向上に集中できます。人手不足や業務過多などの課題を解消し、職員のモチベーション向上にもつながるでしょう。

人材とノウハウの確保が円滑に行えるよう、アウトソーシングの活用を検討することも視野に入れるとよいでしょう。

まとめ

デジタル技術を活用して地方自治体の業務やサービスを改善し、効率的かつ質の高い行政を目指すという取り組みは、まだまだ多くの課題が存在します。
昨今のデジタル技術の進化により、自治体DXの取り組みは、今後ますます重視されることが予想されています。具体的な対策を立てて一つひとつ実行し、住民サービスの向上や財政効率の改善、地域の活性化・経済成長の促進を進めていくことが重要です。


関連記事

CONTACT