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OMS、WMSの違いとは?導入メリット、一体型も

2024.02.21
  • EC総合支援
  • フルフィルメント

OMSやWMSは、EC業務を強力にサポートするツールです。その効果や違いを知りたい、業務に導入してみたいとお考えの方も多いでしょう。今回の記事は、OMSとWMSの違いや導入のメリットについてご紹介します。


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OMSとWMSの違いは対応範囲

OMSとは、Order Management Systemの略であり、直訳すると注文管理システムです。実店舗やECにおいて注文を受けたとき、在庫拠点や出荷時期、納期についての最適解を導きます。Amazonや楽天など販売チャネルが複数あり、それぞれに対応する必要があるときにおすすめのツールです。

WMSとは、Warehouse Management Systemの略で、直訳すると倉庫管理システムです。商品や資材の入荷から出荷までの倉庫運営全体を一元管理します。倉庫管理は多岐にわたる業務や作業を効率化的に行うのが難しいため、WMSを導入することで大きな効果が期待できます。

EC事業でOMS・WMSが求められる背景

EC事業でOMSやWMSのニーズが高まっている理由として、「EC事業が抱える人手不足の解決策となる」点があげられます。

EC事業で受注から発送までの作業を手動で行っている場合、作業内容が複雑になり属人化しやすくなります。受発注の過程に人手を取られ、他の業務に手が回らない企業も多いでしょう。

また、EC事業においてリアルタイムの在庫の把握ができていないと、在庫ズレによる機会損失や過剰受注などが頻発します。出荷までの時間が長くなり、顧客に不満を与える恐れもあるでしょう。

こうした背景から、EC事業におけるOMSやWMSの導入需要が高まっています。

EC事業に必須なOMS、WMSの役割

EC事業にはOMSやWMSが必須です。根拠は、OMSとWMSの導入によって多くの工程が最適化される点です。

OMSは、注文から商品のお届けまでのプロセスを最適化します。EC事業にとって非常に重要なツールといえるでしょう。
WMSは商品の入荷から保管、出荷までをミスなく、効率的に行えるようにサポートします。

現在、商品の多様化に伴って、出荷時のピッキングや梱包などの対応方法も複雑化しています。システム導入によるメリットは非常に幅広く存在します。

OMS導入のメリット

OMSは、導入すると関連情報を一元管理できる、在庫管理を最適化できる、作業コストを軽減できるなどのメリットがあります。これらのメリットについて1つずつ解説します。

関連情報を一元管理できる

OMSを導入するメリットの1つは、複数の販売チャネルを1つのシステムで一元管理できる点です。

それぞれの販売サイトで別個に顧客情報を得たり、商品の情報を入力したりする作業は負担が大きいですが、OMSを用いるとそれらを一括で行えます。どの商品が今売れているのかといったデータが欲しい場合も、OMSにより一括で比較・確認が可能です。

在庫管理を最適化できる

OMSを導入していると、複数の販売チャネルをまたいだ在庫の管理が行えます。

個々のチャネルごとに管理をすると、売り逃しのリスクや過剰発注の問題が発生します。OMSで複数チャネルを一元管理することで、こうした機会損失が防げるでしょう。

例えば、在庫数がない状態のチャネルAに注文があったとしても、チャネルBに在庫が残っていれば、注文を受け付けられます。

作業コストを削減できる

OMSは、受注から出荷データの作成までの業務を自動で行うように設定できます。

OMSを使わずに複数の販売チャネルを管理している場合、出荷にあたって複数の販売データと顧客データを突合する手間がかかります。OMSはこれらを一括でまとめます。

OMSの導入により、作業コストは大きく削減されます。例えば、3つの販売チャネルに対しそれぞれ受注、出荷の担当を配置するとき、OMSの導入により担当を1人だけにすれば、人件費は1/3になるでしょう。

WMS導入のメリット

WMSは、商品の受け入れ、保管、出荷までの倉庫業務を一元管理するシステムです。EC業務では、在庫数の調整や複数の倉庫の情報を一括管理し、ピッキングリストに従って商品の確保と出荷までの流れを自動化できるようになります。

出荷作業を効率化できる

WMSが導入されていると、複数の出荷データからピッキングリストが自動生成されます。WMSからの指示で在庫から商品が確保され、出荷準備から出荷までの指示が出されます。

ピッキングだけでなく、出荷に伴う在庫数の変更や在庫数が少ない商品の発注の要請や受け入れの業務の一元管理も可能です。

WMSの導入に伴い、複数の倉庫それぞれにかかっていた管理コストが統一されるでしょう。売上に対する物流コスト比率は平均で5%程度といわれています。仮にWMSによってコストが半分になるとすると、売上比率に対して2〜3%のコストカットが狙えます。
参考URL:2022年度物流コスト調査結果(速報値)の公表 ~売上高物流コスト比率は5.31%~ | 公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会

在庫状況をリアルタイムで把握できる

WMSは、倉庫における該当標品の在庫状況について、リアルタイムに追跡、表示できます。在庫確認の時間と労力を大幅に削減するだけでなく、目視や手作業に頼らないデータ管理とリアルタイム更新によって、在庫管理の精度が向上する点もメリットです。
従来の主導による在庫確認や紙ベースでの記録の更新においては、管理する倉庫それぞれに人材の配置が必要でした。WMSの導入でこうしたコストが数分の1以下に軽減されるとすると、業種にもよるものの、対売上比率で数%の削減が可能と考えられます。

ミスを軽減しコストを削減できる

手動の在庫管理において、人為的なミスや情報の遅延の発生は避けられません。ただし、WMSを導入すると、作業が効率化されて、ミスや遅延が起こる可能性を減らせます。

仮に、商品の出荷までに手動による工程が5工程あり、それぞれに2%の割合でヒューマンエラーが発生したとすると、全体として商品が無事に出荷できる確率は、0.98の5乗で約90%です。WMSの導入によりエラーが起こる可能性が半分になると、0.99の5乗で約95%になります。

ミスが減ると、その分対応にかかる時間や費用も節約できます。WMSはコストカットの面にも大きく寄与するといえるでしょう。

OMSとWMSの一体型もある

それぞれに効果を発揮するOMSとWMSを一体化したシステムも存在します。

一体型システムを導入すると、注文から出荷、配送のプロセスと在庫管理が全て一元管理され、全工程を自動で行う「自動出荷」が実現できます。実在庫と販売在庫を連携して一括管理し、店舗への商品の配送とEC販売を同時に行えるでしょう。

一体型のメリットとして、双方の機能を同一データや入力に基づき行うことにより連携がスムーズになる、実在庫と理論在庫を一括管理できるなどがあげられます。
デメリットとしては、一体型にはOMSをベースとしてWMS機能を付加したものとその逆のパターンのものがあり、商品によっては機能に偏りが生じます。また、機能自体が不十分なものも存在します。

自社の販売ルートや物流形態に合わせた、適切なシステムの選定が重要です。

OMS・WMSにおける個別導入と一体型の比較

OMSとWMSは、それぞれ販促と物流に効果を発揮します。EC業務にあたり、個別に導入する場合と同時に導入する場合、そして一体型を導入した場合について、効果を比較検討します。

個別に導入した場合

販売チャネルが1つあるいは1店舗のみ、かつ注文は全国規模で物流拠点が分散している場合は、WMSのみの導入でも充分に効果が発揮されます。これは、業務の負担における物流の比重が大きいためです。

また、出荷数が多くても、プレゼント用をはじめとする複雑な注文条件が少ない事業もWMSの単独導入が適しています。

その他、「カスタマーからの複雑な注文条件に対応したい」と望む出荷数の少ない企業は、OMSのみを導入して、出荷作業を自社で行った方が効果的といえます。

同時に導入した場合

OMS、WMSを独立したシステムとして別個に導入する場合、ポイントはデータの連携です。データの連携ができるのであれば、別個の導入でも問題はないでしょう。
組織で販売部門と物流部門が明確に分かれている企業や、各事業にとって使いやすいシステムを導入したい企業におすすめの方法です。

ただし、システムによって、連携をする際にどちらかの機能に制限がかかる可能性もあるため、一体型を見据えた検証が必要となります。

一体型の場合

一体型は、パッケージとして1つのシステムのものです。そのため、OMS機能とWMS機能の連携を考慮する必要はありません。

多数の商品を扱い、かつ全国規模で展開する流通量の多い商品を扱う企業は一体型が適しています。
一体型のメリットには「自動出荷の実現が可能」というものもあります。自動出荷に必要なロボットを導入する余地がある場合は、より一層一体型がおすすめです。一体型による全工程の自動化も難しくはありません。

ただし、一体型はコストが高い点と、機能面で個別のシステムに劣るものがある点には注意をしましょう。

OMS・WMSの選び方

OMSは、受注から発送までを管理するシステムです。OMSを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。

・自社の業務内容に適合しているか
・既存のシステムに連携できるか
・利用しているモール、カートに対応しているか
・システムの使い勝手のよさ
・サポートが充実しているか

一方、在庫管理や出荷を管理するWMSを選ぶときは、以下がポイントとなります。

・複数拠点、複数品目への対応
・事業規模に対応できるか
・運用コストが許容できる範囲か
・導入時のサポートやトレーニング体制が充実しているか

一体型を選ぶ場合、上記のポイントに優先順位をつけてから、条件に合うシステムを選んでください。

OMS・WMS導入時の注意点

OMSやWMSには、導入するにあたって注意点があります。

まずOMSは、事業規模や商品の種類、販売形態などへの対応の取れていることが前提です。そのうえで以下のような注意点があります。

・オペレーションスタッフの整理、教育が必要になる
・目的や効果が自社の運用とマッチしない場合がある
・運用コストが想定以上にかかる場合がある

システムは業務の効率化のために導入しますが、複雑なシステムを選ぶとスタッフの再配置やシステム習熟のための教育コストが大きくかさみます。また、システムとしての有効性が思うように発揮できない、運用コストが予想以上に大きいなどのリスクもあるでしょう。

WMSの導入に対しても以下の注意点に気をつける必要があります。

・導入目的と実際の機能がマッチしない
・運用コストが想定以上であり、コスト削減にならない

導入にあたっては入念な情報収集とシミュレーションを行いリスクを回避していきましょう。

OMS・WMSの導入例

OMS、WMSの導入例を以下で紹介します。

会社名 課題 導入システム 効果
海外食品の日本代理店 在庫切れによる機会損失 OMS 在庫をリアルタイムで把握し機会損失を防げるように
製造販売と包装資材の卸売会社 電話やfax注文での受注ミス OMS システム受注でミスを削減、効率化
ガス取扱業者 倉庫内業務で属人化が発生 WMS 属人化の解消と標準化に成功。業務効率UP

OMS・WMSの導入は実績重視で

OMS、WMSはEC業務や物流において非常に大きな効果をもたらすシステムです。自社の業務内容をふまえて、適切な選択を行いましょう。
業務を効率化する手段はシステムの導入だけではありません。業務をアウトソーシングするという選択もあります。フルフィルメントサービスやEC代行サービスにご興味ある方はこちらをご覧ください。


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