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Voice of customer(VOC)とは?マーケティングでの収集方法と分析・活用場面を解説!

2023.03.31
  • コンタクトセンター

現在、多くの企業がVoice of customer(VOC)に注目しています。今回は、Voice of customerの目的やメリット、自社のマーケティングに活用するための収集・分析・活用方法について具体的に解説していきます。


Voice of customerとは

Voice of customerとは、顧客の意見や要望などの「顧客の声」の意味です。頭文字を取って「VOC」と表記されることもあります。お問い合わせフォームから送られた声やアンケートから得られた回答など、企業に直接寄せられた声をはじめ、最近では口コミサイトや個人運営のブログ、SNSなどの声もVoice of customerとして扱われています。

Voice of customerを活用する目的

さまざまなチャネルから集められたVoice of customerには、自社商品・サービスを改善するヒントやアイデアがたくさん詰まっています。企業がVoice of customerを収集し、分析することで、顧客のニーズがよりわかるようになるでしょう。

Voice of customerを活用する企業活動を「VOC活動」といいます。多くの企業がVOC活動やVOC分析を行い、顧客満足度の向上や競争力の強化に役立てています。

Voice of customerのメリット

VOC活動を行うと、顧客視点での開発や改善が可能になり、結果として売上向上や新規顧客の獲得につながります。顧客の声を聞かないまま自社内で開発を行うと、客観的な判断が難しくなるでしょう。Voice of customerを活かすことで、問題点を客観的に明確化し、具体的な改善方法を見つけやすくなります。

また、顧客の声を定期的に収集し、問題をいち早く見つけることができれば、問題を早急にリカバリーすることも可能です。顧客の声を聞かずそのままにしておくと、「いつまで経っても良くならない」「改善する兆しがない」といった不満の声が、SNSなどで表面化してしまうことがあります。VOC活動を行い、顧客の不満を素早く見つけ出し改善することで、顧客離れを防ぐことにもつながるでしょう。企業として顧客の不満点を早急に改善できれば、クレームも減少し、結果的に従業員の満足度向上にもつながります。クレームが減ることで、従業員のストレスや離職率などが下がることも期待できます。

Voice of customerの収集から活用までの流れ

Voice of customerを活用する目的やメリットがわかったところで、ここからは具体的に収集から活用までの流れについてくわしく解説します。

▶コールセンターのお客様の声(VoC)分析|課題から探す

Voice of customerの収集方法

先にもご紹介したとおり、Voice of customerを活用するには、顧客から直接寄せられる声やSNSなどに掲載されている声を収集する必要があります。それぞれの収集方法は以下のとおりです。

アンケート

アンケートによって顧客からの回答を得るのは、比較的低コストで実施できるため、一般的に広く行われている方法です。アンケートは以下のような方法で収集します。

  • 購入後に電話で直接ヒアリングする
  • 催事場などで回答してもらう
  • メルマガ配信で返信してもらう
  • WEBサイトで回答を募る
  • はがきで回答してもらう

アンケート収集には、上記のようにさまざまな方法があり、目的や顧客属性によって最適な方法が選ばれます。回答率を上げるためには、アンケートの回答を行った顧客に対してサービスや特典を付与するのも効果的です。また、記名式のアンケートは本音を引き出しにくいため、無記名にして顧客の心理的なハードルを下げて本音を引き出す方法もあります。

お問い合わせ(クレーム)

多くの企業ではコールセンターを設け、顧客からの問い合わせやクレームを受け付けています。顧客は疑問を解消したり不満を伝えたりすることができ、企業側も直接顧客の声を吸い上げることができるメリットがあります。緊急性が高い声が収集しやすい点もメリットといえるでしょう。商品・サービスに問題があれば、スピーディに改善することができます。ただし、要望や不満があっても、顧客が直接コールセンターへ連絡するケースは稀です。多くの顧客は企業に意見を伝えることなく離脱し、他社へ移ってしまいます。顧客からのクレームというとネガティブな印象がありますが、企業が改善できる貴重なチャンスといっても過言ではありません。Voice of customerを貴重なヒントと捉え、クレームにも丁寧に対応する必要があります。

SNS

今や多くの人がスマートフォンを所持し、SNSを活用しています。SNSには、多種多様な意見や口コミが蓄積されており、自社や商材に対する率直な意見を幅広く収集することが可能です。新製品が出たときなどは、いち早く顧客の反応を見ることができます。企業として思いもよらなかった部分が注目され、話題になることもあるので、見逃せません。ただし、匿名性があるSNSでは、信頼性にかける投稿も含まれているため、注意が必要です。自社製品の誤った使い方などが拡散された場合は、公式として注意を促してリスクを回避することもできます。また、企業の対応や広告に対する感想・批判などは、拡散されやすい傾向があります。リスク管理の観点でも、SNSは特に注視しておきたい媒体といえるでしょう。

Voice of customerの分析方法

Voice of customerを収集したら、分析を行っていきます。以下のような流れで進めると効率良く、次のアクションにつなげやすくなるでしょう。

目的を明確にする

Voice of customerを分析する際には、まず「なぜ分析する必要があるのか」という目的を明確にしなければなりません。目的を明確化していないと、どのような声を収集すればよいかわからなくなり、単にデータを集めるだけになってしまうからです。例えば、「顧客満足度を向上させてロイヤルカスタマーを増やす」ことを目的にする場合は、顧客満足度が下がる要因を分析すればよいことがわかるので、必然的に調査項目も決まってきます。まずは目的を決め、どのような情報が必要なのかを洗い出すことが大切です。また、Voice of customerは、扱いに注意が必要な個人情報でもあります。収集した情報をどのように管理していくのかを事前に決め、厳重な情報管理体制を築くことも大切です。

適切なツールを導入する

大量のVoice of customerの分析を人の手で行うことは、ほぼ不可能です。例えば、コールセンターなどの音声情報をそのまま人がテキストに変換して取りまとめていく作業は、膨大な時間と手間がかかってしまいます。効率的かつ丁寧に分析するためには、アナログ作業ではなく、必要なシステムやツールを導入するのが現実的です。収集するチャネルが決まったら、対応するツールを導入してデータを収集を行います。最近では、コールセンターなどの音声情報を音声認識システムなどでテキストデータにし、さらにそこから有益な情報を取り出せるツールもあります。

PDCAを回す

Voice of customerの収集・分析は、一度行ったら終わりというわけではありません。一定の時間をかけて収集し、継続的に分析する必要があります。分析した結果は、社内にフィードバックすることも重要です。VOC分析を継続して行うことによって、下記のような目的が果たせるはずです。

  • 商品やサービスの改善点を見つけ、品質の向上を目指す
  • 消費者の潜在的なニーズを把握し、顧客満足度の向上を目指す
  • 自社の強みを見つけ、競合他社と差別化する

PDCAを回すことによって、企業としてさらに発展できるようにもなります。

Voice of customerの活用方法

ここからは、Voice of customerを具体的にどのように活用していくのかをご紹介します。

商品やサービスに反映させる

商品やサービスにVoice of customerを反映させることで、顧客ニーズに合わせた改善が行えるようになります。ニーズを満たした商品・サービスにすることによって、顧客満足度が高まり、売上向上も見込めるでしょう。

例えば、高機能を売りにした新製品を売り出したときに「機能が多すぎて使いこなせない」「ボタンが多くて迷う」「実際は限られた機能しか使わない」などの声が挙がったとします。Voice of customerを反映することによって、商品の機能をシンプルにするなど、顧客の声を反映した商品へと改善したり、新たな商品を発売したりできます。

現代は市場競争が激しく、競合との差別化が難しくなっているのが現状です。顧客の声を収集し、分析することで、社内では思いつかなかったような改善点が見つかる可能性もあります。

顧客ニーズとして新商品のアイデアにする

自社が推したいアピールポイントと、顧客のニーズや評価が得られるポイントが必ずしも一致しているとは限りません。Voice of customerを収集し、分析することで、市場動向がつかめるようになります。例えば、1年前のデータを元に製品・サービスを開発をするのは、場合によってはリスクになることもあるでしょう。しかし、SNSの声などは、まさに「今」の情報・流行・反応を知ることができる貴重な情報源です。市場動向を活かした斬新な新商品のアイデアが生まれる可能性も秘めており、市場優位性の確保にもつながるでしょう。

Voice of customer分析を取り入れるべき企業

VOC分析は、さまざまな企業にとって導入メリットが大きい手法です。なかでも以下のような企業は、VOC分析を取り入れ、活用すべき企業といってもよいでしょう。

自社の課題が不明確

「売上が伸び悩んでいる」「リピート率がなかなか上がらない」など、改善すべき課題はあるのに原因がわからない場合、VOC分析がおすすめです。VOC分析によって、自社で気づけなかったような問題を導き出せることもあります。

企画に難航している

Voice of customerには多種多様な意見が含まれており、企業目線では生まれないような秀逸なアイデアが秘められているケースもあります。商品・サービス企画に難航している場合も、VOC分析によって新たな糸口が見つかるかもしれません。

本格展開する前に反応を確かめたい

テストマーケティングにも、VOC分析は活用可能です。本格展開する前にVoice of customerにより顧客の反応を収集・分析することで、自社では気づけなかった魅力、課題、問題を客観的に把握することができます。テストマーケティングで得たデータを本格展開の際に反映できれば、販売リスクを軽減することもできるでしょう。

まとめ

Voice of customerの目的やメリットをはじめ、自社のマーケティングに活用するための収集・分析・活用方法について解説しました。Voice of customerには、自社では気づくことができないようなヒントやアイデアが多く詰まっています。自社の課題が不明瞭な企業や企画に難航している企業は、ぜひVoice of customerを活用してください。


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