誤出荷対策で信頼度アップ!ミスをなくす原因と防止策を徹底解説

誤出荷とは、出荷する商品や数量、配送先などを間違えてしまうトラブルです。
一見すると単純なヒューマンエラーに思えるかもしれませんが、ブランドイメージの悪化や個人情報の漏えいなど、深刻な影響をもたらすおそれがあります。
この記事では、誤出荷が発生する原因と効果的な対策について解説します。
目次
誤出荷で起きがちな5つのトラブルとは

一口に誤出荷といっても、トラブルの内容は多岐にわたります。よくあるトラブルには、以下の5つが挙げられます。
商品の取り違い
注文された商品とは違うものを出荷してしまうトラブルです。
全く異なる商品を送ってしまうケースのほか、同じ商品でもサイズや色などが指定と異なるケースがあります。
このような商品の取り違いによるトラブルは、入荷した商品の検品や保管、ピッキング、出荷などのフローで発生しやすくなります。
数量の誤り
商品が注文と合っていても、納品する数量を誤ってしまうトラブルがあります。
例えば、「5個の注文があった際に、3個や10個を送ってしまった」というケースが挙げられます。数え間違いや単位の誤認識から発生することが多く、特に大量注文や複数商品の同時注文が行われた際に起こりやすい傾向があります。
注文内容と数量が異なるトラブルが発生すると、返品または追加配送が必要になり、コストの負担が発生してしまいます。
宛先の誤り
送り状の貼り間違いによって、注文者とは異なる顧客宛に商品を誤って送ってしまうトラブルです。身に覚えのない商品が届いた人からの連絡や、注文者からの「商品が届かない」といった連絡でミスが発覚します。
特に注意が必要なのは、送り状が入れ替わってしまう、いわゆる「テレコ出荷」です。別の顧客の商品を入れ替えて発送してしまった場合、個人情報の漏えいにもつながりかねないため、重大なクレームに発展するケースも少なくありません。
納品書に関するミス
誤出荷には、納品書の内容が実際の商品と一致していなかったり、別の顧客の納品書を間違って同梱してしまったりするトラブルがあります。
納品書を作成するシステムへの入力ミスや梱包作業時の作業ミスなどによって発生します。数ある顧客から異なる商品の注文を受ける場合に起こりやすいと考えられます。
出荷漏れ・出荷遅れ
注文された商品の一部または全部を出荷し忘れたり、約束した期日に間に合わないといったトラブルです。なかには、複数の商品の注文があった際に特定の商品だけ出荷が漏れたり、配送途中で商品が紛失してしまったりするケースも含まれます。
このようなトラブルは、受注システムの管理ミスや出荷指示の漏れ、在庫管理の不備、配送業者との連携不足などによって発生します。特にギフトや期日指定の商品では深刻な問題となる場合があります。
誤出荷がよく起きる工程とその原因

商品の注文を受けてから出荷するまでにさまざまなフローが発生するため、ヒューマンエラーによって誤出荷が起こりやすくなります。ヒューマンエラーが起こりやすいフローには、以下が挙げられます。
出荷指示
注文を受けたあと商品の出荷指示を行う段階でミスが起こることがあります。
▼出荷指示による誤出荷の原因
- 手書きの出荷指示書を作成する際の書き間違い
- 入出荷管理システムに入力するデータの誤り
- 受注担当者から出荷担当者への情報共有漏れ など
出荷指示の内容に基づいて商品の出荷準備が進められるため、この段階で発生したミスは後のフローで発覚しにくくなります。複数の担当者によるダブルチェック体制や部門間の連携体制を整備して、出荷指示の間違いや漏れをなくすことが求められます。
ピッキング
保管場所から在庫を取り出して仕分け作業を行うピッキングの段階では、商品の取り違えや数量間違いが起こりやすくなります。ピッキングによる誤出荷が起こる原因には、以下が考えられます。
▼ピッキングによる誤出荷の原因
- 担当者の不注意による間違い
- ピッキングリストの読み間違い
- ロケーション管理の不備 など
特に商品名や商品番号が類似している商品は、担当者が商品を取り違えやすくなります。長年ピッキングに従事している経験豊富な担当者ほど、慣れた作業による油断から品番・数量の確認不足が起きてしまうケースもあります。
また、手書きのピッキングリストで読み間違いが発生したり、在庫の保管場所が整理整頓されておらず間違った商品を取ってしまったりすることも考えられます。
このようなピッキングのフローでは、作業効率を維持しながらピッキングリストに沿った確実な商品選定を行う仕組みづくりが不可欠です。
>>関連記事:ピッキングを自動化する方法は? メリットとポイントも一挙解説
出荷・発送
商品を出荷してから配送事業者に引き渡し、注文者のもとに届けるまでのフローでは、複数の担当者が経由することからミスが発生しやすくなります。出荷・発送段階によって誤出荷が起こる原因には、以下が挙げられます。
▼出荷・発送時による誤出荷の原因
- 梱包時の商品の入れ間違い
- 納品書の入れ間違い
- 出荷前の検品漏れ
- 配送伝票の作成ミスや貼り間違い など
ピッキングを正しく行っていても、梱包や検品作業のミスや配送伝票の誤りが発生すると誤出荷を招きます。作業手順を標準化してヒューマンエラーを防ぐとともに、配送事業者に商品を引き渡す前のチェック体制を強化することが必要です。
>>関連記事:検品代行でコスト削減・高品質な検品を実現!サービス内容やメリット、代行会社の選び方を解説
誤出荷によって起きるリスク

誤出荷が発生すると、売り上げやブランドイメージにも影響が及ぶ可能性があります。考えられるリスクには、以下が挙げられます。
直接的なコストの増加
誤出荷は、輸送費や人件費などのコストの増加を招きます。
▼誤出荷によって発生するコスト
- 返品を依頼する際の送料
- 商品を再発送するための送料・梱包材費・人件費
- 顧客への謝罪やクレーム対応の人件費 など
1件当たりのコスト例を挙げると、往復送料で1,000~1,500円、再梱包や人件費で500~1,000円、返品検品費で200~500円程度が発生し、合計で2,000~3,000円の直接的なコストの負担となり、企業全体の利益の減少につながります。
ブランドイメージの悪化
誤出荷が頻繁に発生すると、企業に対する信頼が低下します。特にECサイトでは、顧客による悪い口コミや低評価が投稿される可能性があり、企業やブランドに対するイメージの悪化を招くリスクがあります。
このようなネガティブなレビューが増加すると、リピーターや新規顧客の減少を招き、売り上げの減少につながる可能性があるため、事業全体にも大きな影響をもたらします。
在庫管理に関する業務負担の増加
誤出荷により在庫データと実在庫に差異が生じると、追加の確認作業が必要になります。在庫の棚卸しや在庫データの修正、関連部署への情報共有などの作業が発生することにより、現場の業務負担が増加するリスクがあります。
また、システムの在庫数と実在庫数にズレがある場合には、欠品による販売機会の損失や過剰在庫による保管コストの増加を引き起こします。取り扱う商品の種類が多くなるほど、在庫の棚卸し作業にかかる労力は増えてしまいます。
誤出荷を防ぐための5つの対策

物流現場の誤出荷は、ヒューマンエラーや作業環境の問題によって起こります。人的要因と環境要因の両方から対策を講じることが必要です。
➀ロケーションの見直しと作業スペースの確保
ピッキング時の取り間違いや梱包作業のミスによる誤出荷を防ぐには、商品のロケーション管理と作業スペースの確保が必要です。
▼ロケーションと作業スペースを見直すポイント
- 混同しやすい商品は、隣接して保管しないようにする
- 保管場所で品番・サイズ・色などを視覚的に区別できるようにする
- 棚板・列・段を組み合わせたロケーション番号を付与する
- 梱包や検品のエリアを明確にわける など
在庫の保管場所を明確にすることで、ピッキングリストに沿って正確に商品を特定しやすくなります。類似する商品については保管場所の物理的な距離を離したり、棚や列を視覚的に区分したりする方法も有効です。
また、狭いスペースでの作業は間違いが起きやすいため、十分な作業スペースを確保しましょう。特にピッキング中の商品と梱包前の商品が混在しないよう、明確にエリアを区別することがポイントです。
>>関連記事:倉庫レイアウトが重要な理由は?方法やポイントも紹介
②出荷作業マニュアルの作成
出荷作業に関する一連のフローをまとめたマニュアルを作成することにより、担当者の作業を標準化して、作業の漏れ・間違いなどのヒューマンエラーの防止につながります。
各フローでダブルチェックを組み込んで、確認するポイントをリスト形式で具体的に記載することが重要です。また、定期的に現場の業務体制をチェックしたり、従業員の教育を実施したりして、マニュアルどおりに対応できる体制を維持することも欠かせません。
③RFIDタグやバーコードの活用
入出荷作業のヒューマンエラーを防ぐには、商品を識別するためのRFIDタグやバーコードを活用することが有効です。
商品のパッケージに印字されたバーコードを専用リーダーで読み取ることで、商品の種類や数量がシステム上に反映されます。ピッキングや検品時にバーコードを照合することで、「注文された商品と一致しているか」を確認できます。
また、RFIDタグを利用すると、商品が今どこにあるかリアルタイムで追跡することが可能です。ピッキング作業の正確性・効率性向上やリアルタイムな在庫管理が可能になり、ヒューマンエラーの防止につながります。
④WMS(倉庫管理システム)の導入
WMS(倉庫管理システム)は、倉庫内での商品の入庫から出庫までの一連の業務を一元管理するシステムです。ロケーション管理・在庫管理・出荷管理などをシステム上で行えるため、手作業による入力ミス・確認漏れなどを防止できます。
▼WMSでできること
- リアルタイムでの在庫情報の確認・共有
- ロケーション情報と連動したピッキングルートの作成
- バーコードやRFIDタグを用いた入荷・出荷管理 など
手作業での在庫管理や紙の伝票を使ったアナログな業務をデジタル化・自動化することにより、作業の正確性を確保できるようになります。
>>関連記事:倉庫管理・在庫管理の内容や効率化・システム化についてわかりやすく解説
⑤出荷作業のアウトソーシング
物流現場の誤出荷を防いで品質の向上を図りたい方は、注文から商品発送までの一連のプロセスをアウトソーシングすることも一つの方法です。
日本トータルテレマーケティング(NTM)では、物流代行サービスの『スゴロジ』を提供しております。人と機械が協業する標準化されたプラットフォームにより、物流品質の安定化と向上を実現します。
▼スゴロジの特長
- 受注から保管・加工・配送までワンストップで対応
- ロボットやシステムによりピッキング以降は全自動で実施
- 複数個や多品種にも対応
人の手による作業に加えて、自動仕分けロボットやゲート開閉式仕分けシステムといったデジタル技術を活用しています。これにより、作業スピードが向上し、ヒューマンエラーによる誤出荷や梱包ミスを大幅に削減します。
まとめ

誤出荷は、企業の信頼性や売り上げに大きな影響を与える深刻なトラブルといえます。物流品質を維持するためには、ロケーション管理の見直しや出荷作業マニュアルの整備、出荷作業のデジタル化などに取り組むことが重要です。
日本トータルテレマーケティング(NTM)の物流代行サービス『スゴロジ』は、デジタル化された作業ライン(機械)と人の協働により、誤出荷率を抑えた高品質な物流体制を実現しています。セキュリティ対策も徹底しており、お客様の大切な商品を安全かつ正確にお届けいたします。
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