コールセンターで優秀な人材を確保するには?評価や育成のポイントを解説
コールセンター(コンタクトセンター)の運営において、オペレーターの能力や応対品質は顧客満足度を左右する重要な要素です。
管理者のなかには「優秀な人材にはどのような特徴があるのか」「能力の評価や育成をどのように行えばよいのか」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、コールセンターにおける人材の課題や優秀とされるオペレーターの特徴、人材の評価・育成のポイントについて解説します。
目次
- コールセンターの人材に関する課題
- 採用が難しく人材が定着しにくい
- 優秀な人材の育成が難しい
- コールセンターで活躍する優秀な人材の特徴
- コミュニケーション力が高い
- 事務処理が早くミスが少ない
- 商品・サービスに関する深い知識がある
- 冷静かつ論理的に問題解決を図れる
- 自発的にPDCAを回している
- オペレーターを評価する3つのポイント
- ➀パフォーマンス
- ②クオリティ
- ③プロフィット
- コールセンターで優秀な人材を育成するポイント
- 透明性の高い評価制度を整備する
- オペレーションの標準化を図る
- モチベーション管理やストレス対策を実施する
- オペレーターの研修制度を充実させる
- 管理者(SV・マネージャー)への教育を実施する
- NTMのコールセンターサービスによる研修制度をご紹介
- まとめ
コールセンターの人材に関する課題

コールセンターは、顧客接点の窓口となります。求められる知識・スキルが多岐にわたるため、人材の採用・定着・育成に課題を持つ現場も少なくありません。
採用が難しく人材が定着しにくい
コールセンターの課題として、採用が難しく人材が定着しにくいことが挙げられます。
業種や対応分野によって異なりますが、オペレーターの業務は精神的なストレスがかかりやすいと言われています。その理由として、一定の応対件数やノルマを達成しなければならないプレッシャーや、感情的・攻撃的なクレームを受けることなどが考えられます。
そのため、「求人を出しても応募がない」「入社後にすぐに辞めてしまう」といった状態になり、人材がなかなか定着しないコールセンターも少なくありません。
優秀な人材の育成が難しい
優秀な人材の育成が進まないことも課題の一つです。
コールセンターは、マニュアルに沿った回答を行うだけではなく、円滑なコミュニケーションを通じて迅速な問題解決や最適な提案を行い、顧客体験を向上させる役割があり、要求される応対品質のレベルも高くなります。
オペレーターには高度なスキルが求められるため、優秀な人材へと成長するまでのプロセスが長期化しやすくなり、育成のためのコスト・時間がかかります。短期間で離職されると、投資した育成コストの損失にもつながってしまいます。
このような理由から、「オペレーターのスキルにばらつきがある」「SVや管理者候補が育たない」といった悩みを持つコールセンターが多くあります。
コールセンターで活躍する優秀な人材の特徴

コールセンターにおいてパフォーマンスが高いと評価される優秀な人材には、共通するいくつかの特徴があります。
ここでは、オペレーターとして優秀とされる人材の特徴について解説します。
コミュニケーション力が高い
コミュニケーション力が高い人は、電話での問い合わせ対応においてよいパフォーマンスを発揮します。
ここでいうコミュニケーション力とは、単に「うまく話すこと」だけではありません。顧客に安心感を与えながら、自然に会話をリードする能力を指します。
▼コミュニケーション力があるオペレーターの例
- 相手の言葉から感情を読み取り、ホスピタリティのある対応ができる
- 対話を通じて質問の意図を理解したり、潜在ニーズを引き出したりできる
- スムーズな受け答えと的確な提案を行える
- 感じのよい声のトーンや分かりやすい言葉選びができる
- 情報を整理して順序立てて話を組み立てられる など
このような能力を持つオペレーターは、会話を通じて顧客との信頼関係を築き、スムーズに対応を行うことができます。
事務処理が早くミスが少ない
事務処理の効率性・正確性が高い人も、優秀なオペレーターといえます。例えば、以下のような特徴があります。
▼事務処理のスキルが高いオペレーターの例
- マルチタスクを遂行できる
- 後処理のスピードが速い
- 記録の入力間違い・処理漏れなどのミスが少ない など
マルチタスクに長けているオペレーターは、通話をしながらシステムの入力やナレッジ検索を行い、迅速かつ的確な対応ができます。これにより、保留時間や入電の待ち時間を短縮できます。
また、通話後の応対履歴の作成やシステム処理のスピードが速いと、対応件数が増えてセンター全体の稼働率向上につながります。さらに事務処理のミスが少ないと、手戻りや再入電を削減することが可能です。
商品・サービスに関する深い知識がある
優秀なオペレーターは、取り扱う商品・サービスに関する深い知識を持っています。
▼深い知識を持つオペレーターの例
- 競合商品と比較した際の自社商品の強み・魅力を伝えられる
- 料金プランやオプションなどを体系的に理解している
- 積極的に情報を収集して知識をアップデートする意欲がある など
商品・サービスに関する深い知識があることで、顧客の問い合わせ内容に沿った的確な情報提供や提案を行えます。また、その知識を応用して、ニーズ・課題に応じた代替案や解決策を提示することも可能です。
マニュアルにはない臨機応変な対応や個別最適な提案を行えることは、顧客体験の向上や成約率の向上に結びつきます。
冷静かつ論理的に問題解決を図れる
問題解決力に長けているオペレーターは、コールセンターでの複雑な問い合わせやクレームに直面した際にも、冷静かつ論理的に適切な対応をとることができます。
▼問題解決力に長けているオペレーターの例
- 問題の根本的な原因を特定して、解決の糸口を見つけ出せる
- 顧客との対話から真のニーズ・課題を探り、最善策を提案できる
- 感情的にならず事実を正確に確認して、可能な解決策や代替案を提示できる など
このような対応ができるオペレーターは、「顧客の質問や要望に対応する」といった受動的な姿勢ではなく、「本当は何を求めているか」「どうすれば顧客満足度を高められるか」に焦点を当てて能動的に行動することが可能です。
自発的にPDCAを回している
優秀なオペレーターは、自らの応対を振り返り、PDCAを回す習慣が身についています。
▼PDCAに取り組むオペレーターの例
- 応対品質評価の結果を基に、自身の課題を客観的に分析できる
- センターや個人の目標達成に向けて具体的な行動計画を立てられる
- 成功・失敗体験をセンターに共有してナレッジの蓄積に貢献している など
自発的にPDCAに取り組む姿勢は、継続的な成長につながり、センター全体のパフォーマンス水準の向上にも貢献します。
オペレーターを評価する3つのポイント

コールセンターで優秀な人材を育成するには、その能力を見極めるための客観的な指標が必要になります。オペレーターを評価する際は、以下の3つのポイントで指標を設定して、多角的にモニタリングを行うことが重要です。
➀パフォーマンス
パフォーマンスは、オペレーターの業務遂行能力や効率性を図る項目です。オペレーターの生産性やコールセンターの稼働率を把握できます。
▼パフォーマンスを測る主な指標
| 指標 | 評価項目 |
|---|---|
| CPH | オペレーターひとりが1時間に処理した応答件数 |
| 応答率 | 入電数に対してオペレーターが応答できたコール数の割合 |
| 平均通話時間(ATT) | オペレーターが顧客と話している1件当たりの通話時間 |
| 平均処理時間(AHT) | 通話開始から後処理を完了するまでにかかった1件当たりの時間 |
| 平均後処理時間(ACW) | 通話を終了してから後処理を完了するまでにかかった1件当たりの時間 |
②クオリティ
クオリティは、オペレーターの応対品質や対応の正確性を測る項目です。この数値がよいほど、コールセンターの稼働率が高く、よりよい顧客体験を提供できていると判断できます。
▼クオリティを測る主な指標
| 指標 | 評価項目 |
|---|---|
| 初回解決率(FCR) | 応答件数のうち1度の通話で問題を解決できた割合 |
| ミス発生率 | 応答件数のうち案内漏れや処理ミスなどが発生した割合 |
| 顧客満足度(CS) | オペレーターの応対に関するアンケートの満足度のスコア |
| モニタリングスコア | オペレーターの通話をモニタリングして、一定基準に基づいて評価を行った際のスコア |
③プロフィット
プロフィットは、コールセンターの収益性を測る項目です。オペレーターがどのような利益を生み出しているか評価することで、センターへの貢献度を把握できます。
▼プロフィットを測る主な指標
| 指標 | 評価項目 |
|---|---|
| 平均通話コスト(CPC) | 1件の応対にかかる平均的なコスト |
| クロスセル率・アップセル率 | 応対件数のうちアップセル・クロスセルに成功した割合 |
| コンバージョン率(CVR) | 応対件数のうち特定のアクション(予約・訪問・契約・購入など)につながった割合 |
| 顧客推奨度(NPS) | 顧客が商品・サービスを他者に推奨する意欲の度合い(アンケートによるスコアで評価) |
コールセンターで優秀な人材を育成するポイント

コールセンターが稼働率を維持しつつ顧客満足度の向上を目指すには、優秀なオペレーターを育成することがカギとなります。ここからは、高いパフォーマンスを発揮できるオペレーターを育成するポイントを紹介します。
透明性の高い評価制度を整備する
業務や応対品質に関する評価制度を整備することが重要です。
オペレーターが「自分を正しく評価してくれない」と感じると、モチベーションが低下して顧客対応がおろそかになったり、早期離職につながったりする可能性があります。
透明性の高い評価基準を設けて客観的かつ公正な評価を行うことで、モチベーションの向上が期待できます。また、評価結果を基にフィードバックと次回の目標設定を行うことにより、継続的な成長を後押しできます。
▼評価制度を整備する際に押さえておくこと
- 業務量だけでなく、応対品質やマニュアル遵守などの多角的な指標を導入する
- 各指標で段階的な評価基準を設け、具体的な行動を明確にする
- 評価結果に基づく昇給・昇進の基準を明示する
オペレーションの標準化を図る
コールセンター全体の顧客満足度を高めるには、一人ひとりの応対品質を向上させることが欠かせません。そのためには、個人の経験やコツに頼った対応ではなく、顧客対応のオペレーションを標準化することが重要です。
応対のフローやシステムの操作手順などの一連のオペレーションを標準化することで、一貫した顧客対応が可能になり、応対品質の均一化を図れます。
▼コールセンターのオペレーションを標準化する方法
- 案件別のトークスクリプトを作成して応対フローを統一する
- よくある質問への回答・対応をケーススタディを用いてマニュアル化する
- システムの操作や処理手順などを図・イラスト化したガイドを作成する
- クレームやイレギュラー対応時のエスカレーションルールを明確にする
モチベーション管理やストレス対策を実施する
オペレーターの定着を図るには、モチベーション管理やストレス対策が必要となります。
スキルの向上やキャリア形成を支援し、顧客対応でストレスを感じたときにSVや管理者がフォローできる職場環境を整備することがポイントです。
▼モチベーションを高めるための施策例
- キャリアパス(将来的に歩めるキャリアの道筋)の提示
- 評価や目標達成度に基づいたインセンティブの導入
- 成績優秀者や貢献度の高いオペレーターの功績をたたえる社内表彰式の開催 など
▼ストレス対策の施策例
- ストレスに関するセルフケア研修の実施
- 定期的な個人面談の設定
- リフレッシュスペースの設置 など
>>関連記事:コールセンターにおけるメンタルケアの重要性と効果的な対策をご紹介
オペレーターの研修制度を充実させる
オペレーターの業務遂行能力や応対品質の向上に取り組むには、知識・スキルを身につけるための研修を実施することが必要です。
入社時の新人研修だけでなく、経験年数やスキルレベルに応じた階層別のプログラムを用意することで、一つひとつステップを踏みながら成長を促せます。
自社のコールセンター内で研修の実施が難しい場合には、専門の講師を招いたり、外部研修に参加したりする方法もあります。
▼【階層別】研修プログラムの例
| 階層 | 研修プログラムの例 |
|---|---|
| 初級者向け (新人・未経験者) |
・基本マナー、基礎的なビジネススキル ・システム操作トレーニング ・商品・サービスの基礎知識 ・基本対応のロールプレイング ・先輩オペレーターによるOJT指導 |
| 中級者向け (入社後6ヶ月〜1年程度) |
・初回解決率の向上研修 ・ホスピタリティ研修 ・応用対応のロールプレイング ・セールス・提案研修 |
| 上級者向け (入社後1年以上) |
・エスカレーション訓練 ・クレーム対応研修 ・コーチングスキル研修 ・ケーススタディによる問題解決訓練 ・管理者研修(リーダーシップ、労務管理など) |
管理者(SV・マネージャー)への教育を実施する
オペレーターの成長を促すには、指導者となる管理者の育成スキルが求められます。
オペレーターのスキルレベルや性格特性などを踏まえて、的確な指導やフィードバックを行える能力を身につけることで、効果的な人材育成が可能になります。
▼管理者教育の取り組み例
- オペレーターの意欲向上や自律的な行動を促すコーチングスキルの強化
- 客観的かつ公正な評価を行うための評価者スキルの訓練
- オペレーターのメンタルケアを行うためのマネジメント教育の実施
NTMのコールセンターサービスによる研修制度をご紹介

日本トータルテレマーケティング(NTM)のコンタクトセンターサービスでは、応対品質を向上させるためのオペレーター育成・研修を実施しており、コールセンターの人材育成を支援しています。
▼オペレーター育成・研修の特徴
- 習熟度や課題に応じた段階別の研修プラン
- 実務経験が豊富な講師による指導
- 座学と実践を組み合わせた“応対力が身につく”研修プログラム
また、コールセンター運営代行サービスでは、オペレーターおよび管理者向けの独自研修を取り入れています。オペレーター向けの基礎研修に加えて、全管理者を対象とした必須研修をパッケージ化して、持続的な成長を後押しするマネジメント担当者を育成します。
さらに、オペレーターのモチベーションと従業員満足度を向上させるための社内表彰・資格制度も運用しています。顧客対応の窓口として一人ひとりの責任感とやりがいを創出し、応対品質の改善につなげています。
NTMの研修制度や表彰・資格制度については、こちらの資料をご確認ください。
>>サービス資料:当社のコンタクトセンター研修に関する資料はこちら
まとめ

コールセンターで活躍する優秀な人材は、効率的かつ正確に業務を遂行して、円滑なコミュニケーションを通じた問題解決・提案を行える能力を持っています。
このようなオペレーターを確保して定着を図るには、「評価」と「育成」の仕組みを整備することが重要です。効率的にスキルや応対品質の向上を目指すには、外部のサポートを受けることも一つの方法です。
NTMのコンタクトセンターサービスでは、応対品質の向上を図るサービスの一環としてオペレーター育成・研修を実施しており、スキルの強化を支援しています。また、運営代行においても独自の研修プログラムを実施し、応対品質の均一化・向上に取り組んでいます。
コールセンターの人材育成や応対品質の向上に課題をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

