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ECサイトで活用できる広告とは|種類や費用、メリット・デメリットも解説

2024.05.31

自社ECサイトにおいて広告を展開したいと考えている方へ、広告が配信できる媒体とメリットやデメリット、さらに広告費用の相場と効果的な運用のポイントについて解説します。
最適な広告媒体を選んで効果的な広告を配信しましょう。


ECサイトを広告するための媒体

ECサイトを広告するために、どのような媒体が選択できるか、どのような商材・ターゲットに適しているかなどの一覧を表にしました。個別に解説します。

広告媒体と適した商材・目的

No. 広告媒体 適した商材の特徴 ターゲット
リスティング広告 検索キーワードに連動して表示 積極的に商品を探している顕在寄りのユーザー
Googleショッピング広告 検索結果に商品画像・価格を視覚的に表示 購入を検討して検索しているユーザー
リマーケティング広告/リターゲティング広告 過去訪問者に再アプローチ 一度サイトを訪問し離脱したユーザー
アフィリエイト広告 比較・レビューなどの記事形式で表示 比較・レビューを読む層
ディスプレイ広告 バナー等の視覚で訴求できる広告。潜在層への認知拡大に有効 興味・関心を持つ広範なユーザー
メルマガ広告 メール内に広告を表示 メルマガの読者
SNS広告 SNS内の自然な形で表示。話題性やビジュアルが強く、共感を生みやすい SNS利用層

話題性のあることに敏感で、情報発信・共有をするユーザー

ECモール(Amazon・楽天など)への広告 Amazon・楽天等の商品掲載ページの広告枠に表示 購入意欲が高いユーザ

①リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告は、ユーザーの検索キーワードに連動して表示される検索連動型の広告です。特定のキーワードを指定して広告配信できるため、積極的に商品を探している購買意欲の高い顕在層にアプローチできます。主婦や高齢者にはYahoo!広告、ビジネス層にはBing広告の活用も有効です。

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンでユーザーが入力した検索キーワードに連動して表示される、テキスト形式の運用型広告です。特定のキーワードを指定して配信することで、商品やサービスを探している最中の顕在層ユーザーに効率よくアプローチできます。主婦層や高年齢層にはYahoo!広告、BtoB向けにはMicrosoft広告(Bing広告)の活用も一つの選択肢ですが、日本国内ではGoogle広告が最も広く利用されています。

②Googleショッピング広告

Googleショッピング広告は、ユーザーが商品名や関連キーワードで検索した際に、商品画像や価格などが視覚的に表示される広告です。配信設定に手間がかかるため競合が少なく、クリック単価が比較的低く抑えられる傾向があります。視覚的な訴求ができるため、購買意欲の喚起に効果的です。単品だけでなく複数商品をまとめて掲載することで、ECサイト全体の販促やブランド認知にもつながる施策です。

③リマーケティング広告

リマーケティング広告とは、一度自社ECサイトを訪問したユーザーに再び広告を表示する仕組みの広告です。Google広告では「リマーケティング」、Yahoo!などその他媒体では「リターゲティング」と呼ばれることもあります。

興味を示したことのあるユーザーに限定して配信できるため、コンバージョン(CV)単価を抑えつつ、コンバージョン率(CVR)を高めることが可能です。限られた広告予算でも費用対効果の高い施策として有効に活用できます。

④アフィリエイト広告

アフィリエイト広告は、アフィリエイター(個人ブログや比較サイトの運営者など)が商品をWeb上で紹介し、ユーザーが当該商品の購入や会員登録など目的の行動をした場合にのみ費用が発生する「成果報酬型」の広告です。
費用対効果が高い一方で、必ず広告が掲載されるとは限らなかったり、成果が出るまでに時間がかかることもあります。また、広告主に無断でリスティング広告を出されたり、虚偽の情報で集客されるリスクがあり、アフィリエイターの管理の手間が課題となることもあります。商品購入や会員登録、資料請求など、ゴールに応じた計画的な運用が大切です。

⑤ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、サイト上にバナーを表示する広告です。広告を表示させる媒体は、商品ユーザーとの相性が良いものを選ぶとよいです。効果はワードからターゲットを狙う検索広告ほどは高くないため、すぐに売上につながるよりも、ブランド認知を高める広告として活用するのがよい場合もあります。

⑥メルマガ広告

メルマガ広告とは、メルマガを活用して広告を配信する手法です。自社が保有するメールアドレス宛に配信するものを「メルマガ」と呼ぶのに対し、自社で保有していないメールアドレス宛に広告を出稿するものを「メルマガ広告」と呼びます。
メルマガ広告には、媒体が保有する配信リストを活用して配信枠を独占するプランや、メール内にテキストまたはバナーを配置するプランなど、さまざまな形式があります。
さらに、媒体ごとに購読者の属性が異なるため、ある程度ターゲットを絞った広告配信が可能です。

⑦SNS広告

SNS広告とは、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LINEなどのSNSプラットフォーム上で表示される広告を指します。タイムライン、ストーリーズ、検索結果、トレンド欄など、ユーザーの閲覧体験の中に自然に溶け込む形式で配信されるのが特徴です。

SNS広告は、比較的少額の予算から始められ、ユーザーの年齢・性別だけでなく、興味関心や行動履歴まで詳細なターゲティングができるため、高い精度で広告配信できます。

日常的にSNSを利用するユーザー層、特に若年層やスマートフォンユーザーに対して高い訴求効果があります。視覚的に訴えるフォーマットも多く、生活の中に自然に入り込める広告手法です。

SNSと一緒に運営することで、エンゲージメント(いいね・シェア・コメントなど)を促進し、ブランド認知の向上やファンの獲得につなげます。

⑧ECモール(Amazon・楽天など)の広告

ECモール内で展開できる広告は、自社商品の露出を高め、売り上げ向上を目指すうえで非常に有効な施策です。

Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手ECモールには、検索結果や商品掲載ページなどに表示される広告枠が用意されており、商品の認知度を高めることで、購入率の向上が期待できます。特に競合の多いカテゴリでは、自社商品を効果的にアピールできる手段として、ECモール広告の活用は欠かせません。

ECモール内で表示される広告のため、購買意欲の高いユーザーに直接アプローチでき、費用対効果の高いプロモーション手段となります。

ただし、広告の掲載順位や効果は、入札単価や、広告運用スキルによって左右されるため、継続的な効果検証と広告運用の最適化が不可欠です。

EC事業でWeb広告を活用するメリット・デメリット

ECサイトの集客や売上向上を目指す上で、Web広告は欠かせない手段のひとつです。
ここでは、EC事業でWeb広告を活用する際のメリットとデメリットについて、紹介します。

EC事業でWeb広告を活用するメリット

EC事業でWeb広告の活用によって得られる、具体的なメリットは以下の通りです

・少額から始められる手軽さ
テレビや新聞などのマスメディア広告と比べて、初期投資が少なくても始められるのが大きな魅力です。例えば、1日数百円からでも広告配信が可能なため、限られた広告予算でも手軽に始められます。

・ターゲット層に効率的にアプローチ可能
Web広告は、ユーザーの年齢・性別・興味・行動履歴などに基づいて、狙ったターゲット層に広告を配信できる点です。例えば、興味や行動履歴をもとにSNS広告を配信しブランド力を高めたり、過去に自社ECサイトを訪れたユーザーに対して再度広告を表示するリターゲティング広告を活用することで、コンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。

・短期間で成果を可視化
出稿から効果測定までの即時性の高さは、Web広告の大きな魅力の一つです。たとえば、リスティング広告やSNS広告は配信開始と同時に表示され、結果も数時間から数日程度で確認できるため、短期間で改善サイクルを回しやすくなります。特に、新商品の発売や期間限定キャンペーンといったタイミングが重要な場面では、迅速に情報を届け、反応を踏まえた調整を早期に行うことが求められます。SEOや自然流入による集客では反応の把握に時間を要する一方、Web広告は狙ったタイミングでの訴求とその反応の把握を比較的早く行える点が特長です。

EC事業でWeb広告を活用するデメリット

Web広告はECサイトの集客に効果的ですが、いくつかの注意点も存在します。
以下は代表的なデメリットです。

・コストがかかる
Web広告には出稿費に加え、自社運用では人件費や学習コストが発生します。外部に委託する場合は運用代行費がかかり、社内にノウハウが蓄積されにくい点もデメリットです。

・広告の非表示が増加している
広告ブロッカーの利用が拡大しており、一部ユーザーには広告が表示されず、リーチ率の低下につながる可能性がある。

・ターゲティングの配信設計が成果を左右する
ターゲット設定を誤ると、広告費が無駄になり、成果につながらない場合がある。

ECに関してWeb広告を活用するには、一定のリスクやデメリットが伴うため、適切な戦略と運用体制の構築が欠かせません。

ECサイトを広告する媒体のメリット・デメリット一覧

前述のように、Web広告には高い費用対効果や即効性などのメリットがある一方で、予算管理や運用難度などのデメリットも伴います。ここでは、ECサイトを広告する際によく活用される各媒体の特徴を、メリット(M)・デメリット(D)に分けて具体的に紹介します。

 

1 リスティング広告 M ・積極的に商品を探している顕在よりの層に訴求できる
・即効性があり短期間で成果を可視化できる
・少額からでも始められる
D ・検索頻度の高いキーワードほど、競合も多くなりクリック単価が高騰しやすい
・キーワード選定や運用にスキルが求められる
2 Googleショッピング広告 M ・商品画像による表示で視覚的に訴求できる
・複数商品を同時に訴求できる
D ・商品登録に手間がかかる
・審査基準に合致させる必要がある
・価格競争に陥りやすい
3 リマーケティング広告 M ・一度興味を示しECサイトへ訪問した離脱ユーザーに再訪を促せる
・CVRが高く費用対効果が良い
D ・表示させすぎるとしつこい印象を与えることがある
・適切な期間や頻度の調整が必要
4 アフィリエイト広告 M ・成果報酬で無駄なコストが発生しにくい
多様なメディアからの流入が期待できる
D アフィリエイターの質により成果が左右される
・不正出稿や虚偽情報表示などのリスクがあるため、対策に手間がかかる
・アフィリエイターの管理が必要
5 ディスプレイ広告 M ・幅広く潜在層にアプローチできる
・バナーなどで視覚的にブランド訴求できる
・ブランド認知の向上が期待できる
D ・表示回数は稼げるが、CVまでは繋がりにくい
・リスティング広告に比べると、商品への関与度が低い層にも届きやすい
6 メルマガ広告 M 媒体の読者属性に合わせて配信可能
・既存顧客へのリピート施策としても有効
D ・配信タイミングによって効果がばらつく
・広告色が強いとスパム認定されやすい
7 SNS広告 M 属性・興味等詳細なターゲティングが可能
いいね、シェア・コメントなどのエンゲージメントを通じて顧客との交流を促進できる
SNS内の自然な形で表示できるため共感を生みやすい
D ・炎上・ネガティブコメントのリスクがある
・クリエイティブ制作に手間がかかる
・アルゴリズムの変化で成果が不安定になることも

 

ECサイトの広告費用はいくら?

ECサイトにおける広告費用の相場はいくらぐらいでしょうか。また広告費はどのように決まるのでしょうか。相場や決め方の概要を解説します。

広告費の相場

ECサイトでは、売上高に対する広告費の割合は、約20%程度が目安とされており、他業種と比べて高い傾向があります。ECサイトは実店舗や人件費に費用がかからない分、広告に費用をかけることが多いといえます。
また、知名度の低い商品の広告費は高く、認知されると費用は抑えられる傾向にあります。

自社ECサイトに適した広告を選ぶコツ

ECにおける広告にはさまざまな種類があり、媒体ごとに特性や効果が異なります。自社ECサイトに適した広告を選定するには、単に有名な手法を取り入れるだけでなく、バランスの見極めが欠かせません。

ここでは、自社ECサイトに適した広告を選ぶコツを解説します。

広告の目的を明確にする

広告の目的は明確にしましょう。多くは新規顧客を獲得することが目的です。ただし既存顧客にリピートを促す目的で広告を配信することもあるでしょう。

また、販促だけでなくブランディングを兼ねる、あるいはブランディングのために実施する広告も検討できます。数値で具体的に設定すると、正確な効果測定が叶うでしょう。

最適な広告媒体を選ぶ

目的に合った広告媒体を選びます。例を以下に示します。

  • 新規顧客獲得→リスティングやディスプレイ広告
  • 既存顧客のリピート→自社メルマガ
  • ブランディング→SNSやディスプレイ広告

上記のように最適な広告媒体を選択すると、ムダな広告費を使わずに売上に結びつけられます。

ターゲットを明確にする

ターゲットを明確にすることは広告の妥当性や費用対効果のうえで欠かせません。
商品のターゲットを明確にし、ターゲットが日常的に利用する媒体や利用状況を想定・調査しましょう。

そのうえで広告媒体や表現する内容を決め、より多くのターゲットユーザーが関心を持つ広告を配信します。

予算を設定する

ECにおいて広告展開する前に、まず使える予算を明確にすることが重要です。予算の規模によって適切な広告手法や配分が変わるため、戦略を無駄なく立てるための前提となります。
例えば、限られた予算で成果を求めるなら、費用対効果の高いリターゲティング広告が有効です。一方、一定の予算を確保できる場合は、ブランド認知拡大を目的にディスプレイ広告やSNS広告を活用する方法もあります。
自社の目標や売上目標、想定ROAS(広告費用対効果)をもとに、現実的かつ戦略的な予算設定を行いましょう。

ECサイトで効果的な広告を配信するポイント

ECサイトで効果的な広告を配信するポイントを解説します。

セールスポイント(強み)を明確にする

セールスポイント(強み)が明確な商品を開発したら、広告の表現にも反映します。ユーザーが競合商品と比較して優れていると評価したり、興味や愛着を感じたりすることが差別化につながります。

広告を制作する際は、差別化ポイントを端的に表現すること、デザインや機能価格を魅力的なものとして伝えることが重要です。

魅力的な広告クリエイティブを作る

Web広告で成果を上げるためには、配信先や予算よりも広告クリエイティブの質が重要です。目を引く動画や高品質な写真を使い、商品の魅力や利便性を直感的に伝える表現が求められます。

とくに商品画像は、実物とのギャップがないようリアルさの重視が大切です。過度な加工は購入後の不満につながり、リピートを妨げる恐れもあります。媒体やターゲットに応じた表現設計によって、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の向上が期待できます。

定量的な指標を検証する

広告の数値目標として売上や販売数量を掲げ、目標を達成するための広告費(広告費率)を定めます。

広告を実施したあとに、得られた売上の広告に対する比率であるROAS(Return On Advertising Spend)を指標としましょう。これで費用対効果を評価できます。計算式は以下のとおりです。

ROAS=広告を通して得られた売上 ÷ 広告費×100(%)

ROASと広告比率は逆数の関係になります。

実績のある広告会社に依頼する

EC事業で広告を出すなら、実績のある専門会社に依頼するのが効果的です。広告制作のクオリティによって商品広告の魅力が左右され、コンバージョン(CV)に影響するためです。

各種の広告運用ツールを活用したとしても、社内のノウハウだけでは限界があります。幅広いノウハウを持つプロに任せることで、成果をあげられるでしょう。

テスト期間を設ける

完璧なバナーやランディングページを作ることは難しいといえます。複数のパターンを用意して、より大きな効果を生むものの検証が重要です。そのために、テストを実施する期間を設けましょう。

たとえば、比較ができるABテストには専門的なノウハウが必要です。手法やテスト期間については専門家に相談しましょう。

EC事業でのWeb広告は費用対効果を明確にしよう

EC事業でのWeb広告は商品をターゲット層にアピールするために必要不可欠です。広告の目的やターゲットを明確にして最適な媒体を選択し、効果的なクリエイティブと運用をしましょう。
広告費と売上の数値を押さえ費用対効果を明確にして、自社のECサイト運用にお役立てください。

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