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自治体がリモート窓口を採用する理由とは? デジタル庁が進める「自治体窓口DX」についても紹介

2023.11.20
  • 公共BPO

ここで解説するのは、自治体がリモート窓口を採用する理由とは何か、どのようなメリットがあるかについてです。
また、デジタル庁が提言している自治体窓口DXについても紹介します。


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自治体のリモート窓口とは

一般的に自治体のリモート窓口とは、市民が行政手続きや公共サービスにアクセスするためのオンラインプラットフォームです。従来は、所定の窓口へ行くことで手続きできましたが、自宅やオフィスから手続きを簡単に行えるのが特徴です。

また、窓口をデジタル化することで、待ち時間の削減や紙の使用の削減が期待できます。
さらに、災害時や緊急事態においても、情報提供や支援を提供する重要なツールとして機能する可能性があります。

リモート窓口のメリット

リモート窓口を導入することで、自治体はさまざまな恩恵を受けます。リモート窓口の導入が自治体にもたらすメリットについて、4点に分けて解説します。

利用者にとっての利便性が向上する

オンラインで行政手続きや公共サービスの利用が可能となり、窓口への出向くことや待ち時間が不要になり時間や交通費の節約ができます。

また、リモート窓口は24時間365日利用可能であるため、時間や場所に縛られずに手続きができます。住民は、働きながら家庭を守りながら、自分の都合に合わせて行政手続きができるでしょう。さらに、デジタル化は手続きを迅速にし、待ち時間のストレスや情報提供の迅速化を実現します。

利用者・担当者がお互いの顔が見られる

利用者にとっては、担当者とリアルタイムで対話できます。顔を見てのコミュニケーションは、信頼感を高め、より有効なサービスを提供できるでしょう。特に、複雑な手続きの場合、顔を見ての対話は誤解を減少させ、効率の良いサポートが期待できます。

また、担当者にとっても、利用者の表情やジェスチャーを通じて情報をより的確に把握でき、適切なアドバイスやサービス提供が可能です。さらに、顔を見ることで、相手の感情やニーズをより良く理解し、問題解決に貢献できます。

業務が効率化できる

リモート窓口を導入することで、時間と場所に縛られない柔軟な利用が可能です。利用者は自宅やオフィスからアクセスでき、市役所までの交通にかかる時間や待ち時間のストレスが軽減されます。

また、電子文書やオンラインフォームを活用することで情報の迅速な共有や処理が可能となり、業務の効率化が期待できます。他にもデータの自動処理やデータベースの活用することで、情報の検索や分析が容易になり意思決定プロセスがスムーズになります。

感染症対策になる

リモート窓口は接触を最小限に抑えられるため、感染症の拡大を防ぐことに有効です。
また、リモート窓口は急な感染症の流行時においても、行政サービスを提供できます。公共機関や自治体が閉鎖されていても、オンラインでのサービス提供が可能となり市民の手続きや情報提供を継続できます。

このように緊急時や感染拡大の際にも利用できる点は、リモート窓口の強みです。公共サービスの継続性を確保し、市民の安全を支えます。

デジタル庁が進める「自治体窓口DX」とは

デジタル庁は、自治体窓口DXを推進しているためです。そこで、自治体窓口DXとはなにかについても解説します。

目指すのは「書かないワンストップ窓口」

行政手続きには、必要書類の作成や該当窓口への提出など、手続きをするためのプロセスがあります。自治体窓口DXは、これらのプロセスを省略または削減し、より効率良く行政手続きが実施できることを目的としています。

デジタル庁は、これを「書かないワンストップ窓口」と表現しており、自治体窓口DXの最終目標です。この目標の実現は、全国の自治体にとって持続可能なサービスを提供する重要なミッションとなるでしょう。

環境を整備する「自治体窓口DXSaaS」

自治体のように大きな規模の組織体にリモート窓口を導入するためには、大きな時間とリソースを割くことが求められます。自治体の日常業務とリモート窓口の導入業務を、平行して処理することは困難です。
そこで、デジタル庁は自治体窓口DXSaaSを提案しています。これは、リモート窓口のパッケージシステムを外部の業者に作成してもらい、システムを自治体へサービス提供してもらうものです。

人材を派遣する「窓口BPRアドバイザー派遣事業」

デジタル庁は、リモート窓口の導入にシステム活用と業務改革(BPR)の2つを重要視しています。BPRは、システム活用の前段階として導入を推奨しています。とはいえ、BPRもリモート窓口導入と同じく、専門知識なしでは導入が困難です。

そこで、自治体窓口DXに関して精通している人に、アドバイザーとしてリモート窓口の導入を検討している自治体のサポートを依頼しています。
アドバイザーによる自治体の円滑なリモート窓口導入を支援する際の費用をデジタル庁が負担し、有識者が積極的に支援に参画できる環境を整備しています。

リモート窓口システム選びのポイント

自治体がリモート窓口を導入する際には、企業とは異なった視点でシステムを選定することが求められるでしょう。どのような点に注意して窓口導入を検討しなければならないのか、システム選びのポイントを解説します。

使い方が簡単なこと

リモート窓口が複雑なシステムであれば、高齢者や電子機器に不慣れな方がリモート窓口を利用できない危険性があります。そこで、自治体に導入するリモート窓口には、シンプルで簡単な操作で利用できることが求められます。

また、使い方が簡単なことは利用者だけでなく、自治体職員にとっても有益です。リモート窓口の導入の際は、職員も窓口のシステムを理解する必要があるためです。操作が簡単なシステムを選ぶことで、リモート窓口の導入をよりスムーズに実施できます。

映像・音声がクリアであること

リモート窓口は、利用者と担当者が画面上でコミュニケーションを取ります。それゆえに、映像と音声の質が悪いと、十分なサービスを提供できないおそれがあります。

そこで、映像と音声がハッキリと読み取れるシステムを選ぶことが大切です。映像はお互いの顔が視認できればある程度は妥協しても支障はないと考えられます。一方で、音声に関しては、お互いがスムーズにコミュニケーションを取るために、十分な品質を確保すると満足度の高いサービスを提供できるでしょう。

セキュリティに強いこと

自治体は、日々の業務で膨大な個人情報を取り扱っています。そのため、個人情報の漏洩は、自治体の信頼と安全を失うリスクにつながります。

リモート窓口のシステムは、セキュリティの観点からも注視することが求められます。特に、行政手続きをリモート窓口で実施するときは、オンライン上で個人情報のやり取りを行います。もし、システムに欠陥があり、外部から悪意のある第三者に侵入されてしまえば、自治体に登録されている住民の個人情報が抜き取られることも考えられるでしょう。

自治体のリモート窓口事例

リモート窓口の導入を検討するためには、既にリモート窓口の導入を実施している自治体について参考にするのが良い方法です。
ここでは、リモート窓口導入を実施した5つの自治体について紹介します。

東京都豊島区

新型コロナウイルスが流行したことで、窓口での区民相談を中止せざる得ない状況に陥った豊島区では、ビデオトークを活用したリモート窓口が導入されました。
豊島区の当初の目的は、区民相談の中止がもたらす区民の利便性の損失を回復させることと、今後同様の事態が発生した際の対応策でした。しかし、リモート窓口の導入によって、利便性の向上だけでなく、相談窓口へ足を運んでいない潜在的な相談ニーズへも対応できるようになりました。

出典:豊島区「オンライン相談(区民相談コーナー)について」

兵庫県三田市

兵庫県三田市は、令和4年2月28日から令和4年12月28日までの期間限定ではありますが、「行かなくてよい市役所」を掲げ、2ヶ所の市民センターにオンラインで行政相談ができるリモート市役所を実施しました。
リモート市役所では本人確認を要する相談や緊急を要する内容は利用できませんでしたが、書類の記入方法や制度の説明を受けられました。

出典:三田市「遠隔相談窓口サービス「リモート市役所」実証実験(終了)」

福岡県福岡市

令和4年10月から令和4年11月の期間に、福岡県福岡市は出張所2ヶ所と公民館8ヶ所でリモート窓口試験を実施しました。同市は令和3年度にも同様の試験を実施しており、段階的に自治体窓口DXを推進しています。
多数の実施箇所を設置していますが、開催期間をずらすことで、職員の業務負担を軽減しつつ、リモート窓口の導入に向けた知見の収集を実現しています。

また、実施箇所を増やすことで、それぞれの地区で個別に発生するトラブルが浮き彫りになり、今後の課題が明確になりました。

出典:福岡市「令和4年度「リモート窓口」実証実験を開始します!」

茨城県結城市

結城市内の3つの出張所で、福祉や税務などの手続きの相談ができるオンライン窓口を設置しました。同市は、以前から電話での質問対応を実施していました。しかし、電話では説明困難な内容や伝わりにくい事柄に対しては、住民に来庁いただいて説明するしか対策がありませんでした。
今回の取り組みは、そのような複雑な手続きに対して、利用者が来庁することなく相談できる環境を整備する目的で実施されました。

出典:結城市「オンライン対面窓口をご利用ください」

福岡県北九州市

北九州市内の4ヶ所の出張所で、テレビ会議システムの活用による相談窓口を展開しています。
また、同市はリモート窓口導入の際に、ギンガシステム株式会社に協力を要請しています。同社が提供しているリモート窓口システムの「テレ窓」を採用しました。

他の事例と異なり、リモート窓口の導入に外部企業を活用した貴重なサンプルです。北九州市の職員のインタビューによると、書画カメラを利用した説明は、利用者の満足度を高めていると考えられます。

出典:北九州市「出張所のオンライン相談」

BPOのサービス紹介をいれたい。

まとめ

自治体のリモート窓口について解説しました。リモート窓口の導入は、さまざまなプロセスを乗り越えることが求められます。
デジタル庁が掲げる自治体窓口DXは、自治体にとってメリットがある一方、自治体にリモート窓口導入を強要する側面も考えられます。

日本トータルテレマーケティング株式会社の公共BPOサービスでは、自治体のリモート窓口導入のお手伝いもいたします。リモート窓口導入の際にお困りの件がありましたら、遠慮なくご相談ください。


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