音声認識システムをコンタクトセンターに導入するメリットとは!?仕組みや基本機能も解説
AI技術の急速な進歩により、さまざまな分野で「音声認識技術」の活用が広がっています。
なかでも顧客対応の窓口となるコンタクトセンターでは、オペレーターの業務支援や顧客体験の向上などを目的として、音声認識システムを導入する企業が見られます。
「音声認識技術を導入して何ができるのか」「コンタクトセンターに導入するとどのようなメリットがあるのか」など、疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、音声認識技術の基本的な仕組みと主要な機能、コンタクトセンターに導入するメリット、システム選定のポイントについて解説します。
目次
音声認識技術とは

音声認識技術とは、人間が発声した言葉をデジタルデータとして取り込み、テキスト化してアウトプットする技術です。
音声をテキスト化するプロセスでは、4つの段階で処理が実行されます。
▼音声認識の仕組み
| 段階 | 実行される処理 |
|---|---|
| 1.音響分析 | ・マイクを通して入力されたアナログ音声をコンピュータで処理可能なデジタルデータ(波形)に変換する ・音響信号を短い区間に区切り、音声の特徴量(周波数特性)を抽出する |
| 2.音響モデル | 抽出された音声の特徴量を基に、音響モデルによって音素(母音や子音)を抽出する |
| 3.発音辞書 | 音素の並びを辞書データと照合して、該当する単語を特定する |
| 4.言語モデル | 特定された単語の並びを統計的に予測・評価して、自然で文法的に正しい文章を絞り込み、テキストとして出力する |
近年では、AIのディープラーニング(深層学習)技術が進化したことで、音声認識の精度が飛躍的に向上しています。
従来の音響モデルでは抽出・識別が難しかった音響的な特徴をAIモデルが学習することにより、話し方や環境音の違いによる音声の“揺らぎ”に強い認識が可能になりました。
この音声認識技術は、スマートフォンのアプリやスマートスピーカーなどの私たちの身近な製品にも導入されており、ユーザーの利便性向上に貢献しています。
テキスト化だけではない!音声認識システムの主要機能

音声認識技術を取り入れたシステム(以下、音声認識システム)は、音声をテキスト化するほかにもさまざまな機能が備わっています。
主要な機能には、以下の4つが挙げられます。
➀会話や通話内容の文字起こし
会話や通話の内容をテキスト化する機能です。音声データをそのままテキストに書き起こすだけでなく、内容を要約する機能が備わったシステムもあります。
コミュニケーションでのやり取りをリアルタイムに記録したり、録音した音声データを基に資料や報告書を作成したりする場面で役立てられます。
②会話や通話内容の分析
会話や通話の音声をデジタルデータに変換して、話している内容を分析する機能です。
単語・文脈を分析することで、特定のキーワードにタグ情報を付けて会話の内容を分類・管理したり、頻出する話題の傾向を抽出したりできます。これにより、音声データをより効果的に活用できます。
③感情解析
言葉や声のトーンなどから話す人の感情を解析する機能です。例えば、「相手に寄り添っているか」「怒りや不安を感じていないか」などを解析できます。
コンタクトセンターやサポートデスクなど、相手の感情に配慮した対応が求められる場面において、顧客満足度を高めたり、クレームを防いだりするために役立てられます。
④多言語化
会話の内容をリアルタイムに翻訳・通訳する機能があります。
タブレットやスマートフォンのアプリを使って手軽に多言語に翻訳・通訳を行えるため、観光施設や自治体の窓口、会議など幅広い場面で外国人とのコミュニケーションに役立てられています。
コンタクトセンターに音声認識を導入するメリット

コンタクトセンターに音声認識を導入すると、顧客満足度や業務効率の向上が期待できます。具体的なメリットには、以下が挙げられます。
オペレーターの業務効率が向上する
音声認識を導入すると、オペレーターの業務効率を向上させる効果が期待できます。
顧客との会話がリアルタイムでテキスト化されるため、手入力で応対履歴を作成する必要がなくなり、後処理時間を削減することが可能です。
また、通話内容から特定のキーワードを認識して、FAQやマニュアルをオペレーターの画面に提示するシステムを活用すると、保留時間が短縮され、より多くの件数に対応できるようになります。
コンプライアンスの強化につながる
コンタクトセンターのコンプライアンス強化を図るうえでも音声認識が役立ちます。
オペレーターの通話内容からコンプライアンスに違反する会話が行われていないか、あらかじめ指定したNGワードを基にチェックすることが可能です。
また、クレーム対応の通話内容をテキストで記録することで、「言った・言わない」のトラブルの事実確認を行ったり、管理者・責任者が過去の対応をすばやく確認したりできます。
応対品質の向上に役立つ
オペレーターの会話をテキストデータとして蓄積することで、応対品質を評価してフィードバックにつなげられます。一人ひとりの苦手分野やミスが発生しやすい対応などを把握して改善を図ることが可能です。
また、優秀なオペレーターの通話内容を分析して、マニュアルにはない知識やコツなどを文章化することにより、ナレッジの共有が促進されて応対品質の向上に役立てられます。
オペレーターの教育が効率化できる
応対スキルの高いオペレーターの受け答えや言葉遣いなどをテキスト化することで、コンタクトセンターの応対マニュアルを作成できます。
トークスクリプトや応対フローなどを整備することにより、経験の浅いオペレーターでも正確で迅速な回答ができるようになります。これにより、オペレーター全体のスキル向上や対応の均質化につながります。
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導入する音声認識システムを選ぶポイント

音声認識システムにはさまざまな種類があり、機能や活用場面が異なります。コンタクトセンターに導入する際に確認しておくポイントには、以下が挙げられます。
音声認識の精度
コンタクトセンターでは、日常会話とは異なる複雑な会話やリアルタイムでのコミュニケーションが発生するため、「音声を正確にテキスト化できる精度」が重要となります。
音声認識の精度が低いと、オペレーターによる応対記録の修正作業が増えたり、録音した通話を聞き直したりするプロセスが発生して、業務効率が低下してしまう可能性があります。
また、周囲の雑音やマイクの性能によっても音声認識の精度が変化しやすいため、注意が必要です。システムを導入する際は、実際の環境でテストを実施して、実用レベルの精度が確保されているか確認することが欠かせません。
テキストデータの分析機能
コンタクトセンターに導入する音声認識システムでは、通話内容を文字起こしするだけでなく、「通話記録のテキストデータをいかに活用するか」が重要となります。
通話記録のテキストデータを応対品質の評価やオペレーターの教育に役立てるには、高度な分析機能が備わったシステムを選ぶことがポイントです。
▼コンタクトセンターに役立つ分析機能の例
- 会話内容の要約
- 特定キーワードの登場回数の集計
- 感情解析による温度感の高い対応の抽出 など
セキュリティの高さ
コンタクトセンターでは、顧客の氏名・住所・購入情報などの個人情報を扱うため、音声認識システムにおいても堅固なセキュリティが求められます。
自社のセキュリティポリシーに沿った運用ができるかどうか、システムのベンダーに技術や認証の有無などを確認して、信頼できる製品を選ぶことが大切です。
▼セキュリティについて確認すること
- データやネットワークを保護する仕組み
- データの保管場所
- サイバー攻撃への防御・対策方法
- 情報漏えい時の責任範囲
- セキュリティ認証の取得有無 など
NTMでは「自動音声評価システム」で応対品質を管理

日本トータルテレマーケティング(NTM)のコンタクトセンター運用代行サービスでは、高い応対品質を保つために一定基準に基づく応対評価を実施しています。
その取り組みの一つとして、音声認識技術を取り入れた「自動音声評価システム」による通話品質の評価があります。このシステムでは、音声認識によってテキスト化された通話データを自動で評価・採点して、個別レポートを作成することが可能です。
▼自動音声評価システムで評価ができる項目
- 応対プロセス
- 応対マナー・敬語の使い方
- 要約・復唱
- 感謝の言葉、寄り添いの表現 など
音声認識技術を活用した仕組みにより、客観的な通話品質の評価とオペレーターへの正確なフィードバックが可能になり、スキルの向上を促進しています。
また、システムでは評価が難しい「声のトーン・抑揚・イントネーション」や「顧客の理解度」などは、自社の基準(NTMスタンダード)に沿って人による評価を組み合わせることで、総合的な品質評価が可能になっています。
このような通話品質の評価を通じて、オペレーターの応対品質を均一化して、顧客満足度の向上につなげています。当社の応対品質については、こちらの資料をご確認ください。
まとめ

音声認識には、会話・通話の内容をテキスト化するだけでなく、要約や特定キーワードの抽出、多言語での通訳・翻訳などのさまざまな機能があります。
コンタクトセンターにおいては、オペレーターの業務効率やコンプライアンスの強化、応対品質の向上などに音声認識システムが役立てられます。導入する際は、音声認識の精度や分析機能、セキュリティ性能を確認することがポイントです。
NTMのコンタクトセンターサービスでは、音声認識技術を取り入れた「自動音声評価システム」による通話品質評価を実施しています。システムによる定点評価と人によるきめ細かな評価により、応対品質の均一化と顧客満足度の向上に取り組んでいます。

