コールセンターにおけるオペレーター教育のポイントを解説!

コールセンター(コンタクトセンター)の顧客満足度は、オペレーターの応対品質に大きく左右されます。コミュニケーションスキルや業務遂行スキルを高めるためには、オペレーターの能力に応じた体系的な教育プログラムを実施することが必要です。
この記事では、オペレーター教育の重要性や具体的な研修内容などを解説します。
目次
- コールセンターにおけるオペレーター教育の重要性
- 応対品質の安定化
- 顧客満足度の向上
- 従業員のモチベーション維持
- ブランドイメージの向上
- コールセンターのオペレーターに求められる能力
- ①商品知識と洞察力
- ②論理的思考と問題解決力
- ③丁寧にコミュニケーションをとる能力
- ④自身と業務を改善する能力
- コールセンターのオペレーター教育に取り入れられる研修
- オペレーター基礎研修(新人研修)
- フォローアップ・スキルアップ研修
- 管理者研修
- コールセンターにおけるオペレーター教育のポイント
- ①マニュアルの整備
- ②建設的なフィードバックの実施
- ③メンタルケア
- ④モチベーション管理
- コールセンターの教育体制を充実させる施策
- コンタクトセンター検定試験・資格取得の推進
- コンタクトセンター研修の外部委託
- NTMのコールセンター研修
- まとめ
コールセンターにおけるオペレーター教育の重要性

オペレーターの教育は、単に知識を暗記することだけが目的ではありません。状況に応じて的確な判断をしたり、丁寧できめ細かな応対によって価値のある顧客体験を提供したりするために、オペレーターの教育を通じて能力開発に取り組むことが重要です。
応対品質の安定化
応対品質を安定化させるには、オペレーターの教育が欠かせません。
どのオペレーターが応対しても一定水準以上の高品質なサービスを提供できる体制を構築することで、顧客に安心感を与えられます。また、応対フローを標準化することで、シチュエーションに合わせた的確な判断や回答が可能になり、安定した応対品質を維持できます。
顧客満足度の向上
オペレーターの応対は、顧客満足度に影響します。
基本的な知識・スキルにとどまらず、継続的なオペレーターの教育を通じて顧客が持つ課題を迅速に解決したり、潜在的なニーズを汲み取って期待を上回る提案をしたりできるスキルを身につけることにより、顧客が心から満足できるサービスの提供につながります。
コールセンターの顧客満足度を高めることは、企業のイメージ向上や顧客ロイヤルティの向上などの企業価値にも結びつくと考えられます。
従業員のモチベーション維持
コールセンターの教育体制を整備して、スキル向上やキャリアップを目指せる機会を提供することにより、オペレーターのモチベーション維持・向上を図れます。
個々の能力に応じた適正な評価は、オペレーターの成長意欲を高めて自発的なスキルの向上を促進でき、コールセンター全体のサービス品質の向上を後押しします。また、オペレーターにとって働きがいのある職場となり、優秀な人材の定着・確保にもつながります。
ブランドイメージの向上
企業の窓口として機能するコールセンターでは、オペレーターの応対品質がそのまま商品・サービスのブランドイメージに直結します。
「商品に関する豊富な知識を持っている」「顧客の課題や悩みに寄り添ってくれる」などの質の高い応対は、顧客から信頼や好感を得やすくなります。口コミやSNSでの好意的な評判が広がると、新規顧客の獲得にもつながります。
教育を通じて優秀なオペレーターとして成長を促すことにより、企業の顔としてブランド価値を高める重要な役割を果たすことが期待されます。
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コールセンターのオペレーターに求められる能力

コールセンターのオペレーターには、高品質なサービスを提供するための多岐にわたる能力が求められます。商品知識から問題解決力まで、幅広いスキルセットを身につける必要があります。
①商品知識と洞察力
オペレーターには、取り扱う商品・サービスを正確に理解する深い知識が求められます。
商品・サービスの特徴・仕組み・料金体系などの知識を習得して、顧客に分かりやすく説明できる能力を身につけることで、あらゆる質問に対して的確に回答できるようになります。
また、顧客とのやり取りを通じて潜在的な課題・ニーズを捉える洞察力を養うことにより、商品知識を用いて最適な解決策を提案することが可能です。
②論理的思考と問題解決力
顧客からの複雑な要望に対して冷静かつ体系的にアプローチする論理的思考力は、オペレーターに必要とされる能力の一つです。
例えば、「要望を整理して必要な手続きを段階的に説明する」「会話中の情報から多角的な視点で問題を特定して解決策を導き出す」などの能力が挙げられます。
特に温度感の高いクレームでは感情的になりやすいですが、客観性と落ち着きを保ちながら筋道を立てて分かりやすく説明することが求められます。
③丁寧にコミュニケーションをとる能力
オペレーターには、相手に寄り添った丁寧なコミュニケーションをとる能力が必要です。
マニュアルに沿った応対を事務的に行うだけでは、顧客に冷たい印象を与えてしまったり、通話後に不明点や疑問が残ってしまったりする可能性があります。
顧客の話を親身に聞く「傾聴力」や、相手の感情や状況に配慮した姿勢で接する「共感力」、理解度に合わせて分かりやすく伝える「表現力」などが求められます。
このような思いやりのあるコミュニケーションにより、顧客に安心感を与えられ、よりよい信頼関係を築くことができます。
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④自身と業務を改善する能力
オペレーター自身と業務を改善するために必要な”自己学習力”も大切な能力といえます。
自身の応対スキルや業務遂行スキルを振り返り、課題に応じた改善策の計画・実行に取り組む自発的な行動は、コールセンター全体のパフォーマンス向上に貢献します。
また、常に新しい知識やスキルの習得を目指す姿勢も求められます。
コールセンターのオペレーター教育に取り入れられる研修

効果的に人材育成を推進するには、オペレーターの経験や役職に応じた適切な研修プログラムが必要です。基礎から応用まで段階的な研修プログラムを組むことで、継続的な成長を図れます。
オペレーター基礎研修(新人研修)
新人オペレーターの着台前には、オペレーターに求められる基本のスキルを習得する基礎研修を実施します。コミュニケーション能力を中心としたソフト面のスキルと、電話機やシステムの操作などのハード面のスキルについてバランスよく指導します。
▼オペレーター基礎研修の具体例
- 商品・サービスに関する基本知識
- 電話応対マナー研修
- 電話機・システム操作研修
- ロールプレイング研修
- OJT研修 など
座学による知識・マナーの習得と、OJTによる実践経験を組み合わせて教育を行うことで、着台後に焦らずスムーズなコミュニケーションや業務処理などを行えるようになります。
フォローアップ・スキルアップ研修
フォローアップ・スキルアップ研修は、着台して間もないオペレーターや既に活躍中のオペレーターのスキル向上を目的とした研修プログラムです。実際の業務経験を通じて見えてきた課題の克服や、強みをさらに伸ばすことに焦点を当てます。
▼フォローアップ・スキルアップ研修の具体例
- 表現力・傾聴力・提案力を高める研修
- アップセル力向上研修
- ケーススタディによる問題解決研修
- 二次応対・クレーム応対研修
- 高齢者応対研修 など
オペレーターによって強味・弱みやコミュニケーションスキルなどは異なるため、個々の成長段階に応じてカスタマイズした教育を実施することが求められます。
管理者研修
管理者研修は、SV(スーパーバイザー)やリーダー職を対象とした研修プログラムです。
チーム全体を統括したり、オペレーターの応対をフォローしたりするマネジメントスキルのほか、上席者に求められる応対スキルの習得に向けた教育を行います。
▼管理者研修の具体例
- 上席者応対の訓練研修
- カスタマーハラスメント研修
- リーダーシップ研修
- 社内外コミュニケーションスキル研修
- 品質管理研修
- 労務管理研修 など
管理者向けの研修は、専門的な指導やノウハウが求められるため、外部の講師を招くか研修セミナーに参加することも一つの方法です。
コールセンターにおけるオペレーター教育のポイント

オペレーター教育の効果を最大化させるには、知識・スキルを体系的に理解できる情報の提供や学習意欲を維持するための工夫が必要です。
ここからは、オペレーター教育のポイントを解説します。
①マニュアルの整備
オペレーターの研修を実施する際には、マニュアルを整備することが必要です。習得する知識・スキルの情報を体系的にまとめることで、段階的な学習と個々の理解度に応じた振り返りを行いやすくなります。
また、業務プロセスを示すフロー図やケースに応じたトークスクリプトを記載することで、オペレーターによるスキルの習得を促進できるほか、業務の標準化につながります。
分かりやすく包括的に整理されたマニュアルにより、新人からベテランまで一貫した品質での応対を実現できます。
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②建設的なフィードバックの実施
オペレーターの成長を促進するために、建設的なフィードバックを行うことがポイントです。
単に問題点を指摘するのではなく、客観的な評価に基づいて、改善を目標とした具体性のある提案を行うことにより次の行動を後押しできます。
また、「~すべき」と指示するよりも、応対の意図を踏まえて「何に問題があったか」「どのような改善計画を立てたらよいか」を一緒に考え、サポートする姿勢を示すことも重要です。
③メンタルケア
オペレーターの教育では、メンタル面への配慮を行うことも大切です。
コールセンターでの顧客応対では、「自分のミスによってお客様に迷惑をかけてしまった」「クレームで強い指摘を受けた」などによって、落ち込んでしまうこともあります。
失敗を乗り越えるマインドや、困難な状況でも冷静な応対ができる能力などを身につけて、ストレス耐性を高められるようにサポートすることがポイントです。
また、教育過程でのフォローアップ体制を充実させて、業務での悩みや不安を持つオペレーターに対して相談や個別研修を実施することも必要です。
④モチベーション管理
オペレーターが自律的に考え行動できる環境づくりが持続的な成長の基盤となります。
教育に取り組む際は、目標設定と達成に向けた支援を通じて、オペレーターの成長意欲を維持・向上させるとが重要です。
また、オペレーターの努力や成長プロセスにも目を向けて、前向きな言葉をかけることにより、オペレーターが成長の実感を得ることができ、学習意欲を高められます。
コールセンターの教育体制を充実させる施策

コールセンターの教育体制を整備するにあたっては、社内の研修に加えて外部の制度やノウハウを取り入れることも効果的です。検討したい施策には、以下が挙げられます。
コンタクトセンター検定試験・資格取得の推進
日本コンタクトセンター教育検定協会では、オペレーター向けの民間資格を運営しています。
オペレーターの資格取得を支援してオペレーターの評価に結びつけることにより、スキルの向上とモチベーションの維持が期待できます。
▼資格取得を推進するための支援例
- 資格講座の開催または受講費用補助
- 検定試験の受験費用補助
- 資格取得者への表彰制度・インセンティブ制度の導入 など
日本トータルテレマーケティング(NTM)が提供するコンタクトセンターの運用代行サービスでは、オペレーターの資格取得支援制度や表彰制度を設けており、適切に評価・還元する仕組みを構築しています。これにより、オペレーターの継続的な成長と高品質の応対を実現しています。
コンタクトセンター研修の外部委託
コールセンターの研修は外部に委託することが可能です。
効率的に知識・スキルを習得して実践に移すための知識・ノウハウや研修プログラムを持っているため、教育の質を向上させることができます。
「自社のリソースだけでは効果的な研修が難しい」「社内研修では十分な効果が見られない」といった課題を持つ方は、外部委託を検討されてはいかがでしょうか。
NTMのコールセンター研修

NTMでは、コールセンターのオペレーター教育を目的とした研修パッケージを提供しています。
入社直後のオペレーター研修から管理者研修、美容や医療などの専門分野に特化した研修まで幅広い研修パッケージがあり、あらゆるコールセンターの教育に対応できます。
▼NTMのオペレーター研修の特徴
- 豊富な研修プランのカスタマイズ
- 座学・実践を合わせた“身につく”研修
- 実務経験を持つ講師が担当するため、現場のリアルに即した内容で、納得感のある研修
オープンカレッジ形式やウェビナー形式など多様な研修スタイルを用意し、限られた時間で計画的かつ効率的にスキルを高められる教育体制を構築しています。
詳しくは、こちらをご確認ください。
まとめ

オペレーターの教育は、コールセンターの応対品質を底上げして、顧客満足度やブランドイメージの向上につなげるための重要な取り組みです。
NTMが提供する研修パッケージをご活用いただくことで、新人向け基礎研修から管理者研修まで効率的に質の高い教育体制を構築することができます。オペレーターの教育にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。