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ECサイトの利益率をあげるにはどうしたらよい?経費・販売のコツ

2024.05.11
  • EC総合支援

ECサイトの運営者にとって、利益率は大きな悩みです。今回は、「高めの利益率を設定しているにもかかわらず収益が伸びない」「経費が思った以上にかかる」などの課題に対応するために、ECサイトでの利益率のあげ方について解説します。


利益率の基礎知識

利益率とは、売上に対する利益の割合です。計算式は以下のとおりです。

利益÷売上高×100

利益率の計算では「利益」の定義が重要です。利益の定義は以下の6種類に分類されます。

・粗利益:売上高から商品原価を差し引いた利益
・営業利益:粗利益から営業や販売のコストを差し引いた利益
・経常利益:営業利益に本業以外の利益や借入金利息などを反映させた利益
・税引前当期純利益:経営利益に特別損失や特別利益を反映させた利益
・当期純利益:税引前当期純利益から法人税額を差し引いた利益

ECサイトの場合、粗利益と営業利益が特に焦点となります。また、実店舗を有するか否かによっても利益率の評価は変わります。

ECサイトの利益率目安

ECサイトの適正な利益率の目安はさまざまです。3,3,4の法則や1,5,4の法則などがあり、ECの種類や販売系統によって適切な利益率は異なります。ECサイトの利益率目安について解説します。

3,3,4の法則

3,3,4の法則は、商品原価率を3割、販売促進費を3割として、その他の経費、利益を4割に収める法則です。仮にその他経費を2割とすると、営業利益は2割です。

販売促進費は、一般の小売業は2〜3%といわれています。ECサイトで3割が必要とされる理由は、実店舗を持たないECは商品説明や販促への注力が重要なためです。
ECサイト運営は、諸経費により営業利益が10%前後に落ち込んでしまう例も見られます。

1,5,4の法則

1,5,4の法則は、商品原価率を1割に抑え、販売促進費を5割と見積もる法則です。卸売により原価率を低く設定し、販売促進費を高めに設定しています。

原価率を1割まで落としても、その他経費と利益で4割の確保がセオリーです。その他経費を2割とする場合、利益率は2割前後です。

ECサイトの経費一覧

ECサイトの運営にかかる経費の詳細を説明します。
ECサイトは実店舗と異なりテナントの家賃や光熱費はかかりません。ただし、ECならではの経費もあります。

原価、仕入れ費用

原価、仕入れ費用は商品を製造したり仕入れたりする際にかかる経費です。自社で開発した商品を売る場合は、商品製造の原価が発生します。

どのような商品サービスであっても、原価は必ず発生します。そのため、売上が利益と等しくなることは基本的にはありません。

原価仕入れ費用は卸売か仕入れ販売かで異なります。EC業界は、原価や仕入れ値を低く設定して販売促進費を高くとるケースが多く見られます。

マーケティング費用

マーケティング費用は、広告や販促、集客に関わる費用です。

ECサイトは、主にWebマーケティングにかかる経費が主体になります。Webマーケティング費用は売上の5〜10%ほどが目安といわれていますが、LTVやLPO対策のために多くの投資をしているサイトも存在します。

EC業界は、3,3,4の法則や1,5,4の法則に見られるように、全体としての販売促進費は30%から50%までが一般的です。

システム費用

システム費用は、ECサイトの運営にかかる経費です。

カート費用、サーバー費用やドメイン費用など、価格はシステムに依存します。ECサイトで実現したい要件、コスト、売上のバランスをふまえた選定が必要です。
月額が高くても既存のマーケティング効果が高い場合、トータルとして効率的なケースもあるでしょう。導入にあたっては費用対効果と運用リソースを考えた検証が大切です。

物流費用

実商品を販売する場合、在庫を保管しておく倉庫が必要です。自社で商品を保管、管理する、または仕入れ販売は物流倉庫に保管を委託するケースがあげられます。

また、商品の出荷には配送業者への送料が発生します。梱包資材の準備や商品の梱包と出荷準備の経費も物流費用に含まれるでしょう。
ピッキングや発送まで一括にアウトソーシングできるサービスが存在します。自社で発送する場合と比較検討し、総合的に効率的な手段を選んでください。

販売手数料

販売手数料には、クレジットカード決済や電子マネー決済、あるいは代引き発送にかかる手数料が含まれます。

ECサイトは、クレジットカード決済や電子マネー決済への対応は必須です。売上にも影響を与える項目であり、自社の状況に合わせて選択しましょう。

手数料は利用するサービスによって異なります。割合で発生するパターンやトランザクションの件数で発生するパターン、固定費用のパターンなどがあります。

販促にかかる費用

販促にかかる費用は、マーケティング費用と同様に販売促進費に含まれます。

ECサイトにおける販促で利益率に大きく関与してくる要素は、会員募集のためのポイントサービスです。多くのECサイトは、販売価格の1%前後のポイントを付与しています。ポイントの付与率をあげるキャンペーンは、売上アップに有効です。

商品登録にかかる費用

商品をECサイトで販売するには、商品の画像を撮影する、詳細情報を記載するなどいくつかの作業工程が発生します。これが商品登録にかかる費用です。

アパレルECサイトは、モデルやカメラマン、スタジオを用意し商品の撮影をすることも少なくありません。ECサイトでは商品を実際に確認できないため、写真が売上に大きく影響をします。画像の見栄えが売上に直結するケースも多く、商品登録を専門業者にアウトソーシングする例も見られます。

ECサイトの利益率をあげるポイント

ECサイトで利益率をあげるには、EC特有の経費の考え方と最適化の方法を押さえることがポイントです。特に販売促進費はEC運営の経費で大きなウェイトを占めるため、効率化することでECサイトの利益率を向上できます。

自社コンテンツを発信する

自社コンテンツの発信は、利益率をあげる大きなポイントです。外部サービスを利用した広告展開は、費用がかかるためです。

自社コンテンツで情報を発信し、集客やコンバージョンにつなげるとコストを抑えられるでしょう。具体的には、ブログやSNSアカウントなどを自社で運用する施策があげられます。

とあるアパレルサイトは、自社コンテンツとして男性向けのオシャレのノウハウを発信して多くのPVを得て、販促につなげています。

決済システムを改善する

決済システムは、ECサイトの運営には必要不可欠です。しかし、決済手数料や販売手数料の負担がかかります。

手数料は決済システムにより利率が異なります。利率や、自社の販売スタイルとの一致具合をふまえて、最適なシステムを検証しましょう。また、ECサイトの決済手段は多様化していて、複数の決済サービスを一括導入すると手数料が割引になるシステムも存在します。

受発注システムを導入する

ECサイトの運営には、顧客情報や商品情報、決済情報などのマスター情報に加え、在庫管理や仕入れなど膨大なデータの管理が必要です。

受発注システムを導入すると、こうした情報を一元管理できて、コストの削減につながるでしょう。システムの導入には費用がかかりますが、長期的に考えるとコスト圧縮やサービス品質の向上による利益の方が大きくなります。
自社の運営形態と合致した受発注システムの導入は、大きなコストカットにつながるでしょう。

配送料を削減する

ECサイトは全国や世界の顧客を相手に展開できる一方、配送料が必ずかかります。
配送料の削減方法としては、毎月一定量の配送を依頼して割引してもらう、複数の運送会社を比較して条件の良い運送会社を選ぶなどがあげられます。

物流業務のアウトソーシングを活用する

物流作業を外部委託すると、自社の人員やリソースを本来の製品改善に向けられます。
ただし、自社配送より柔軟性がなくなる、ノウハウが蓄積されないなどのデメリットもあるため、導入の検討は慎重にしましょう。

関連商品やセット売り(クロスセル)をする

クロスセルとは、関連商品やいくつかの種類をセットで販売する手法です。例えば、トップスを購入しようとする顧客にコーディネートしたスカートやパンツを表示する、ポータブル電化製品に電池やモバイルバッテリーを示すなどがクロスセルにあたります。

ECサイトは関連商品を提示する施策が可能であり、効果が出やすいといえます。しかし、露骨に表示すると不快感を与えるため、クロスセルを実施するときは顧客の反応に配慮しましょう。

上位商品(アップセル)を提案する

アップセルとは、購入しようとする商品に対してさらに上位の、機能性の高い商品を案内する手法です。浄水器を買おうとしているユーザーに対し、より除去物質の範囲が広い商品を紹介するケースが該当します。

アップセルは、購入頻度の低い高額商品で効果的な傾向があります。「失敗したくない」心理が働くためです。

高機能で付加価値のある商品を案内すると、選んでもらえる可能性が高まります。

【ジャンル別】ECサイトで利益率をあげた例

ここからは、ECサイトで利益率をあげることに成功した例をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

アパレル

複数ブランドを展開するとあるアパレル企業は、コロナ禍で実店舗の売上が苦戦する中、ECサイトにおいて20万人もの会員増を達成しました。

増加の要因として、商品写真をスタッフによるスタイリッシュな投稿に切り替え、Instagramを通じた顧客との交流、さらにSNS投稿にポイントを付与する施策の成功があげられます。アパレルブランドは商品のイメージと顧客との交流の重要性が分かります。

美容・コスメ

とある大手化粧品メーカーが展開する化粧品ブランドは、ECサイトで無料のカウンセリングを実施して、結果に基づいた商品の提案をしています。カウンセリングは予約制で、スタッフがビデオ通話を通じて1対1で実施します。
こうしたカウンセリングが消費者の購入意欲を高め、さらに効果を実感することでリピートにつながり、ブランドイメージの向上にも寄与しました。

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健康食品

子ども向けの栄養バランス食品を展開するとある企業は、開発者が自分の息子のために開発したストーリー性や、子どもを持つ親の気持ちに寄り添った姿勢などが高く評価されています。

ECサイトには無料のLINE相談も紹介されていて、子どもの栄養バランスを気にする親の相談や悩みを解消する仕組みがあります。。健康食品はリピート率や定着率が大切であり、顧客の信頼を高める施策は効果的です。

インテリア

某インテリアブランドは、家具販売モールに依存した体制からの脱却を目指し、5年かけて自社ECサイトを強化しました。その結果、黒字転換を達成しました。

トレンド性の高い商品を低価格で販売するビジネスモデルは消費者から高い支持を得ています。ECモールで複数の賞を受賞して徐々に知名度を高めたことが成功の要因です。つながっています。

実店舗モールでの価格競争から離れ、ECでの独自展開が成功につながった例です。

経費削減と売上アップでEC事業の利益率を改善

今回は、ECサイトの利益率向上には経費削減と効率化が必要であることを説明しました。
経費の効率化をするには、自社ECの強みや方向性と合致した対策が必要です。販促や物流などのアウトソーシングも経費削減に効果をもたらします。
物流のアウトソーシングについて、ご興味のある方はこちらをご覧ください。


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