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物流の破損対策の取り組み方。EC事業者が安全に商品を届けるには

物流 破損対策2_日本トータルテレマーケティング

EC物流において、顧客のもとへ商品を安全かつスムーズに届けることは、顧客満足度を維持するために不可欠な要素となります。
「配送中に商品が割れていた」「外箱に凹みがあり、ギフトが台無しになった」といった破損のトラブルが発生すると、クレーム対応や返品コストが発生するほか、EC事業者に対する信頼の失墜にもつながりかねません。
顧客満足度を高めるには、物流プロセスの各段階で破損対策を徹底して、商品の品質を維持したまま配送先に届けることが重要です。

この記事では、EC物流において商品が破損する主な原因や現場での効果的な破損対策、輸送中に破損が起きてしまった場合の対応方法などについて解説します。


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物流の破損対策とは

物流 破損対策3_日本トータルテレマーケティング

物流の破損対策とは、商品が入荷してから最終的に顧客のもとに届けるまでのプロセスにおいて、商品が破損しないように保護することです。
EC物流現場では、トラックでの輸送中に限らず、入荷・保管・ピッキング・梱包・検品・トラックへの積み付け・荷下ろしなどのさまざまな作業によって商品が破損してしまう可能性があります。
破損した状態で商品を届けてしまうと、返品対応によるコストの負担が発生するほか、重大なクレームに発展したり、ECサイトの評価が低下したりして事業にも影響を及ぼすリスクがあります。

このようなリスクを回避するために、EC物流のプロセス全体での破損対策が不可欠です。


>>関連記事:ECビジネスにおける物流の重要性とは?特徴と課題について解説!

EC物流で商品の破損が起こるケース

物流 破損対策6_日本トータルテレマーケティング

EC物流で起こる商品の破損は、発生源によって大きく2つに分けられます。

▼商品の破損が起こるケース

発生源 破損の責任
物流倉庫内 EC事業者
輸送中 運送会社

物流倉庫内で発生した破損については、EC事業者側の責任になります。仕入先から入庫まで、あるいは出庫から配送先までの輸送中に発生した破損は、運送会社の責任となります。
また、破損の種類には「外装破損」と「内部破損」の2種類があります。

▼破損の種類

種類 具体例
外装破損 ・外箱の角や表面の凹み・潰れ・破れ
・外箱の汚れ・水濡れ
内部破損 ・商品本体のキズ・割れ・ヒビ
・商品本体の凹み・変形
・部品の脱落や緩みによる機能不全
・水濡れによる故障
・初期動作不良

物流現場で商品が破損してしまう原因

物流 破損対策5_日本トータルテレマーケティング

商品の破損トラブルが頻繁に発生する物流現場では、倉庫内での商品の取り扱いや梱包方法、配送方法などの物流プロセスに原因が潜んでいる可能性があります。よくある原因には、以下の3つがあげられます。

入出荷作業や荷役作業での不注意

商品を破損させてしまう直接的な原因として、入出荷や荷役作業での不注意があります。

▼作業員の不注意による破損例

  • フォークリフトや台車などに商品をぶつけてしまう
  • 手作業で商品を検品・運搬する際に誤って落下させてしまう

特に人手不足の現場では、作業の正確性よりもスピードを優先したり、作業員の教育が不十分になったりしやすく、不注意による破損リスクが高くなると考えられます。
また、EC事業者が宅配事業者に配送を依頼する場合には、ラストワンマイル配送を担うスタッフが商品を乱暴に扱ってしまうことで破損につながるケースも少なくありません。

梱包方法や資材の問題

商品の梱包方法や資材に問題があり、外部の衝撃から十分に保護できていないことも、破損が起こる原因の一つです。

▼梱包方法や資材に問題があるケース

  • 梱包資材が商品の形状や重さに適していない
  • 外箱に対して商品が小さすぎて大きな隙間が空いている
  • 適切な緩衝材が使われていない・緩衝材の量が不足している
  • 外箱の強度が低い など

特にECサイトの運営では、異なるカテゴリの商品を一つの箱に同梱することがよくあります。同梱するすべての商品の特性や壊れやすさに応じた梱包方法と、それに見合った適切な資材を選択することが求められます。

輸送中の荷崩れ

出荷する商品をトラックで配送する際に、輸送中の揺れや振動などによって荷崩れが起きてしまい、商品が破損するケースがあります。輸送中の荷崩れは、主にトラックへの商品の積み付け方に問題があることによって発生します。

▼荷崩れが起こりやすい積み付け方

  • 重量の大きい荷物を上段に積む
  • パレットからはみ出して荷物を重ねる
  • 「荷物と荷物」「荷物と壁」の間に隙間がある など

EC物流では、外箱の形状やサイズ、商品の重さが異なる荷物をまとめて輸送する必要があるため、不規則な積み方になりやすいと考えられます。
輸送中の荷崩れは、一度に大量の商品が破損してしまう原因にもなるため、商品の重量や形状などを踏まえて安定性のある積み付けを行うことが必要です。

EC物流の破損対策に効果的な6つの方法

物流 破損対策8_日本トータルテレマーケティング

EC物流で商品の破損を防ぐには、倉庫内での安全管理や従業員による作業品質の向上、梱包方法の工夫などの多角的な取り組みが必要です。ここからは、破損対策の具体的な方法について紹介します。


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➀倉庫内の動線や保管場所の整備

倉庫内での破損を防ぐためには、入出庫エリアとの動線や保管場所を整備して、安全な環境で作業ができるようにすることが必要です。

安全な作業環境を整備することで、保管棚から商品を取る際に落下させたり、台車やフォークリフトにぶつけたりすることによる破損のリスクを減らせます。

▼倉庫内における環境整備の具体例

  • 商品のサイズやフォークリフト、作業員数に応じた通路幅の確保
  • 不必要な移動を防ぐためのロケーションの見直し
  • 荷役機器との衝突を防ぐためのガードポールや支柱ガードの設置
  • 段差や凹凸がある床面の平坦化

②従業員研修の実施

物流ラインでの作業に携わる従業員に対して、商品の取り扱いや安全管理などに関する研修を実施することも重要です。
人が介在する作業では、「不注意によって商品をぶつけてしまう」「担当者によって梱包技術にばらつきがある」などの問題が生じやすくなります。

従業員の教育によって商品を大切に取り扱う意識と、適切な方法で運搬や梱包を行える技術の向上を図ることが、ヒューマンエラーによる破損の防止につながります。

▼研修内容の具体例

  • 過去の破損発生事例の共有と注意喚起
  • 重さ・形状・サイズに合った正しいピッキング方法や運搬時の持ち方・置き方
  • 商品の特性に応じた梱包手順や緩衝材の使用方法
  • 倉庫内業務での危険予知訓練(KYT)の実施

③梱包資材の見直し

輸送中の破損リスクを減らすには、商品のサイズや材質などの特性に合わせた梱包資材を使用することが重要です。
割れやすい商品や電子機器、重い商品などは、揺れや落下によって破損しやすいため、強度のある外箱や衝撃を抑える緩衝材を使用します。

また、商品と外箱に隙間がある場合には、輸送中の振動によって破損につながるおそれがあるため、隙間がないように緩衝材を十分に詰めることがポイントです。

▼商品の特性に合った梱包資材の選定例

商品 適している梱包資材の例
割れもの(ガラス製品、陶器など) 発泡スチロールシート、エアーキャップ、クラフト緩衝材、段ボール緩衝材
電子機器・家電製品 発泡スチロール、エアーキャップ、エアーピロー、段ボール緩衝材
液体(食品、化粧品など) エアーキャップ、クラフト緩衝材、段ボール緩衝材
アパレル用品 OPP袋、クラフト緩衝材
小物・アクセサリー OPP袋、クラフト緩衝材

>>関連記事:梱包代行サービスとは?利用するメリットや選定時のポイント

④ケアマークの貼り付け

壊れやすい商品や衝撃に注意が必要な商品については、外箱にケアマーク(荷扱い指示ラベル)を貼り付ける対策方法があります。
ケアマークを貼り付けることで、倉庫内での検品時や配送事業者への受け渡し時に「丁寧に扱わなければならない商品」と注意喚起ができます。これにより、不注意による落下や乱雑な扱いを避けられる効果が期待されます。

破損対策に使用されるケアマークにはさまざまな種類があるため、商品に応じて選択することが必要です。

▼ケアマークの種類

種類 目的 使用例
割れもの注意 壊れやすい商品が入っていることを注意喚起する 食器、陶器、ガラス製品、ビン類など
下積み厳禁 重い荷物を上に積むことを禁止する 変形しやすい箱、壊れやすい商品など
天地無用 荷物を上下逆さまにしないように取り扱いを指示する 液体、壊れやすい製品など
精密機器 振動や衝撃、磁気に特に弱いことを注意喚起する テレビ、パソコン、オーディオ機器、OA機器など

⑤衝撃検知シールの使用

衝撃検知シールは、商品の外箱に貼り付けて輸送中の衝撃を記録するシールです。

商品が一定以上の衝撃を受けた際にシールが変色する仕組みになっており、出荷作業や輸送中に不適切な取り扱いがされていないかを確認できます。直接的に破損を防ぐことはできませんが、シールを貼ることで以下のメリットがあります。

▼衝撃検知シールを貼るメリット

  • 検品担当者や配送事業者の荷物の取り扱いに対する意識が向上する
  • シールの変色によって破損の発生源を客観的に判断でき、責任の所在が明確になる

⑥仕分け・梱包ラインの自動化

倉庫内での破損を防ぐために、作業員が行ってきた商品の運搬・ピッキング・梱包などをシステムやロボットを活用して自動化することが有効です。

>>サービス詳細:仕分け・梱包を自動化!物流代行サービス「スゴロジ」の詳細はこちら

自動化によって作業品質を均一化することで、作業員の不注意による落下や運搬中の衝突といった破損のリスクを回避できます。

▼倉庫内作業を自動化するシステムやロボットの具体例

できること
ピッキングロボット アームやグリッパーで商品を掴み、指定場所へ運ぶ
AGV/AMR 無人搬送車でエリアをまたいで商品を自動運搬する
自動仕分けシステム バーコードリーダーやRFID専用センサーなどで荷物を識別して、ベルトコンベアに乗せて指定の搬送経路に仕分ける
自動梱包システム ライン上で段ボールの組み立てや緩衝材の充填、商品の梱包などを連続的かつ自動で行う

>>関連記事:物流倉庫を自動化するシステムとメリットについて紹介

商品の輸送中に破損が起きた場合の対応

物流 破損対策4_日本トータルテレマーケティング

EC物流では、自社で配送網を持たずに商品の配送を運送会社に委託することが一般的です。輸送中に破損が起きてしまった場合には、運送会社との契約に基づいて荷主に対する一定の補償が行われる仕組みとなっています。
運送会社に補償の請求を行う際の基本的な流れは、以下のとおりです。

▼EC事業者による運送会社への補償請求の流れ

1.破損の状況を顧客に確認して、返送依頼と情報の記録を行う
2.委託先の運送会社に連絡して、破損報告と補修請求を行う

3.運送会社の指示に沿って手続きを進める

また、破損による補償請求と並行して、顧客に対してお詫びの連絡や商品の再送手続きを速やかに行うことも欠かせません。

物流代行の委託先を見直すことも必要

物流 破損対策1_日本トータルテレマーケティング

EC物流の運営において「物流代行を活用しているけれど、破損のトラブルが多い」といった課題を持つ方は、委託先を見直すことも一つの方法です。
サービス品質の高いEC物流代行に依頼することで、自動化・標準化された物流体制による安定した運用が期待できます。これにより、作業員のオペレーションや輸送中の取り扱いによる破損トラブルを防げます。

▼物流代行サービスを選ぶ際に確認しておくポイント

  • 自動化の機械やシステムの導入状況
  • 作業スタッフに対する教育・研修制度の取り組み状況
  • 商品の取り扱い実績や梱包技術
  • 破損が発生した場合の対応フローと補償内容 など

日本トータルテレマーケティング(NTM)では、物流全体のプロセスをワンストップで代行するフルフィルメントサービス『スゴロジ』を提供しています。
ピッキング以降の出荷フローを全自動で対応しており、人と機械による協働のオペレーションを構築することで、商品の破損や誤出荷を防いでいます。
詳しくは、こちらをご確認ください。


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まとめ

物流 破損対策7_日本トータルテレマーケティング

ECサイトの信頼を守るうえで、商品の破損対策は欠かせない取り組みの一つです。
商品の破損を防ぐには、倉庫内の物理的な環境を見直すとともに、作業員の意識向上や適切な梱包資材の選定、人が行ってきた作業の自動化に取り組むことがポイントです。
特に輸送中の破損は、運送会社のサービス品質が大きく関係しています。安全な配送を目指すために、物流代行サービスの活用または委託先の見直しを検討することが重要です。

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