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EC物流現場の検品ミスを減らすには。主な原因と5つの対策

検品ミス 対策4_日本トータルテレマーケティング

EC物流の現場では、多種多様な商品を扱うことから、入出荷時に「検品ミス」が発生することがあります。検品ミスによって誤出荷が発生すると、返品対応によるコストの増加につながるだけでなく、。
EC事業における高い利益率と顧客満足度を維持するためには、検品ミスが起こる原因を特定してEC物流体制の改善を図ることが重要です。

この記事では、EC物流現場でよく見られる検品ミスの種類や考えられる原因、検品ミスを減らすための5つの対策について解説します。


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EC物流における検品作業とは

検品ミス 対策3_日本トータルテレマーケティング

EC物流における検品作業は、入荷検品と出荷検品の2つに分類されます。

入荷検品では「仕入先から届いた商品が発注内容と一致しているか」を確認して、入庫処理とともに在庫に計上します。出荷検品では「顧客への発送前に商品・数量・同梱物・送り先などに誤りがないか」を確認して、配送事業者に引き渡します。
これらの検品作業は、倉庫への入出庫の状況を把握して正しい在庫数を把握するとともに、誤出荷を防ぐために重要なプロセスとなります。

▼検品作業の流れと確認項目

作業の流れ 主な確認項目
入荷検品 ①商品の受け取り
②発注書・納品書との照合
③品番・数量の確認
④外観チェック
⑤システムへの入荷登録
⑥保管場所への格納
・品番
・数量
・商品状態(破損・汚損の有無)
・納品書との一致
・保管場所
出荷検品 ①出荷指示書の確認
②ピッキング
③商品・数量の照合
④付属品・同梱物の確認
⑤外観チェック
⑥梱包・発送
・品番
・数量
・付属品・同梱物の有無
・商品状態(破損・汚損の有無)
・出荷指示書との一致
・送り先による仕分け場所


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EC物流現場で発生しやすい検品ミス

検品ミス 対策2_日本トータルテレマーケティング

顧客の元に直接商品を届けるEC物流では、検品作業がECサイトの信頼を守る重要な役割を担っています。しかし、どれだけ注意深く作業をしていても、検品ミスが発生することがあります。EC物流現場で発生しやすい検品ミスには、以下が挙げられます。

品番や数量の確認・登録間違い

商品の品番や数量を間違えて確認・処理してしまうミスです。
EC事業で取り扱う商品は多岐にわたり、同じシリーズであっても色・サイズ・仕様によって数百~数千といった商品に細分化されていることが一般的です。

このような環境下では、商品情報を誤ってシステムに登録したり、ピッキングリストとは異なる商品を出荷してしまったりするミスが発生しやすくなります。
特に「見た目が酷似している商品」や「複数の品種を一度にまとめて処理する場合」などには、目視チェックだけでは見間違いが起こりやすくなります。

伝票の読み間違い

納品書や出荷指示書などの内容を読み間違えてしまうミスです。
EC物流の検品では、各種伝票と内容を照合する作業が発生します。紙ベースで検品を行っている現場では、手書きの数字を読み違えたり、印字が不鮮明で判読が難しくなったりすることでヒューマンエラーが生じやすくなります。

読み間違えた情報をシステムに反映してしまうと、「実在庫数とデータが合わない」「注文内容と違う商品を出荷してしまう」といったトラブルにつながります。

汚損・破損の見逃し

商品の外箱にある汚れやキズ、凹みなどを見逃してしまうことも、検品作業でよくあるミスの一つです。
汚損・破損がある商品を出荷してしまうと、返品対応によってコストの増加を招くほか、クレームにつながる可能性があります。特にギフト用に購入された商品の場合、外箱の状態が悪いとブランドイメージや信頼を低下させてしまいます。

このような見逃しによるミスは、急いで検品作業を行っていたり、チェック項目や手順が定められていなかったりする場合に生じやすくなります。

付属品や同梱物の見落とし

出荷検品の際に、本体商品の付属品やノベルティ、商品カタログなどの同梱物を入れ忘れてしまうミスが発生することがあります。
同梱物は、在庫としてシステムに登録されていない場合があり、ピッキングリストから漏れやすいため、梱包時に見落としが起こりやすくなります。

商品の付属品が不足していると「商品が届いても利用できない」といった状態になるため、顧客満足度の低下を招きます。また、不足品を再発送するための物流コストの負担にもつながります。

入出荷作業で検品ミスが発生する原因

検品ミス 対策8_日本トータルテレマーケティング

検品ミスが起こる背景には、従業員の不注意だけでなく、業務体制や倉庫内の物理的な環境に問題が隠れている可能性があります。

EC物流現場で検品ミスが発生する主な原因には、以下が挙げられます。

アナログな検品作業

アナログな検品作業は、ヒューマンエラーを誘発する大きな要因になります。
紙の伝票や帳簿で入出荷管理を行っている場合に発生しやすいヒューマンエラーの例には、以下が挙げられます。

▼ヒューマンエラーの例

  • 目視の照合による文字の確認間違い
  • 手書きによる品番・数量の記録ミス
  • 数量の計算間違い など

また、紙ベースの運用では、入出荷の状況やリアルタイムな在庫数を担当者間で共有できないため、仕入発注やピッキングなどの作業にも影響が及ぶ可能性があります。

検品手順のばらつき

従業員によって検品の作業手順が異なると、検品精度の低下を招きます。
検品時には「同梱物が揃っているか」「外箱の破損がないか」など、複数の項目を漏れなく確認する必要があります。作業手順が統一されていない状態では、確認漏れが発生しやすいほか、検品精度にばらつきが生じます。

また、標準化された作業手順が構築されていない現場では、ダブルチェック体制も形骸化しやすく、検品ミスを見逃してしまう可能性が高くなります。

複雑かつ不明瞭な検品項目

検品項目の内容が複雑で不明瞭な場合には、似たような商品と混同しやすくなります。
例えば、同一商品でも色・サイズが多数存在する場合には、品番・型番の違いを識別することが難しくなります。検品リストの記載内容が「分かりにくい」「見にくい」状態になると、正確な照合作業ができなくなります。

また、検品項目が多すぎる場合には、検品作業が煩雑になり、かえって見落としや確認ミスなどのヒューマンエラーが発生する悪循環を生むことがあります。

人員不足による業務負荷

検品作業を担当する従業員が不足しており、一人当たりの業務負荷が増加している現場では、ヒューマンエラーが誘発されやすくなります。
疲労の蓄積によって集中力が低下すると、見落とし・間違いが起こりやすくなります。また、忙しさから精度よりも処理スピードを重視せざるを得なくなり、十分な確認時間を確保できないケースも見られます。

特に繁忙期やセール中は注文数が増えて、検品作業を担当する人手不足が深刻になる現場もあるため、検品ミスが増加するおそれがあります。

作業・保管スペースの問題

入出荷作業のスペースが狭かったり、倉庫内が整理整頓されていなかったりすると、検品作業の妨げになります。これにより、入出荷処理や格納作業、ピッキングなどでミスが発生しやすくなります。

▼検品ミスを誘発する作業・保管スペースの問題

問題点 検品ミスの発生原因
検品台や作業スペースの不足 商品の汚損・破損のチェックが不十分になる、出荷先の仕分けを間違ってしまう
倉庫内の動線・保管場所が複雑 商品の取り違えや置き間違いが起こる
照明が不十分 商品の汚損・破損や品番を確認する際に、見落とし・見間違いが起こる
ロケーション表示が不明確 棚番号を誤って格納してしまう

検品ミスが発生することによる影響

検品ミス 対策7_日本トータルテレマーケティング

検品ミスが頻繁に発生すると、EC運営にさまざまな影響が生じます。

▼検品ミスによる影響

  • 在庫の欠品による販売機会の損失
  • 過剰在庫によるコストの増加
  • 不良品の出荷による返品率の増加

入出庫処理に誤りがあると、実際の在庫数とシステム上の在庫数に差異が生じ、欠品が起こる可能性があります。その結果、販売機会を逃してしまいます。
また、在庫数の差異が発生している状態では、必要以上に商品の仕入れを行ってしまい、過剰在庫が発生することもあります。過剰在庫を抱えることは、保管スペースの圧迫や在庫管理コストの増加、キャッシュフローへの悪影響を招きます。
さらに、汚損・破損のある商品を見逃して出荷すると、返品処理・再発送のコスト負担が発生するほか、顧客満足度やブランドイメージの低下といった中長期的な影響が及ぶリスクもあります。このような問題を回避するには、検品精度の向上が欠かせません。


>>関連記事:検品代行でコスト削減・高品質な検品を実現!サービス内容やメリット、代行会社の選び方を解説

検品ミスを防ぐための5つの対策

検品ミス 対策5_日本トータルテレマーケティング

EC物流現場の検品ミスをためには、人の注意力だけに頼らない検品作業の仕組みを構築することが重要です。ここからは、具体的な対策を5つ紹介します。

➀バーコード・RFIDを使った自動照合

バーコードやRFIDを利用して検品作業を行うことで、スキャナーを使って商品情報を自動で読み取れます。
伝票や出荷指示書の内容との照合プロセスを自動で行えるため、従来の目視チェックによるヒューマンエラーを防げるほか、検品作業のスピードを向上させられます。

▼自動照合の仕組み

バーコード RFID
商品に付与したバーコードをハンディターミナルやバーコードリーダーで読み取り、入荷・出荷データと照合する 商品に付与したRFIDタグを専用のリーダーを使って非接触で読み取り、入荷・出荷データと照合する

バーコードの場合、商品一つひとつを個別にスキャンする必要があります。一方のRFIDは、非接触での一括検品ができるため、バーコードを利用した検品よりも作業効率と精度を高められます。

②作業マニュアルの整備

検品時の作業フローやチェック項目を定めたマニュアルを整備することが重要です。
マニュアルを整備することで、従業員の検品作業が標準化され、経験やスキルにかかわらず一定の品質で作業を行えるようになります。確認項目やダブルチェックのプロセスが明確になることで、確認漏れ・間違いの防止にもつながります。

また、検品リストの項目を見直して、必要最小限の項目に絞ったり、類似する商品を区別するための具体的な情報を表示したりすることで、見間違いが起こりにくくなります。


>>関連記事:物流作業標準化の手法!ムダやミスを減らし効率化させる施策とは?

③ロケーションや作業環境の見直し

入荷後の格納作業や出荷前のピッキング作業で発生するヒューマンエラーを防ぐには、倉庫内のロケーションと作業環境を見直すことが必要です。

「商品の保管場所を視覚的に分かりやすくする」「作業しやすいスペースを確保する」ことにより、商品の取り間違いや同梱物の入れ間違いなどが起こりにくくなります。

▼ロケーションや作業環境を見直すポイント

見直しポイント 具体的な改善策 期待される効果
保管場所のゾーニング 商品カテゴリーごとに保管エリアを区分する 類似商品の混在を防ぎ、ピッキングミスを削減する
ロケーション表示の明確化 棚番号や保管位置を大きく見やすく表示する 格納・ピッキングミスをなくし、作業スピードを向上させる
作業スペースの確保 検品台やピッキングエリアの広さを十分に確保する 商品を広げて確認でき、見落としを防止する
照明の改善 作業エリアの照度を上げる 商品の細部や品番を確認しやすくなり、目視チェック漏れ・間違いを防ぐ
動線の最適化 頻繁に出荷される商品を手前に配置する 移動距離を短縮して、疲労によるピッキングミスを減らす

④倉庫管理システム(WMS)の導入

紙ベースのアナログな方法で対応していた入出荷作業のフローをデジタル化するには、倉庫管理システム(WMS)の導入が有効です。
WMSを導入すると、スキャナーで読み取った商品情報が自動でシステム上に反映され、入荷処理や出荷指示書の作成、リアルタイムでの正確な在庫管理などを行えます。

従来の手書き伝票を用いたデータ入力・転記作業が不要になるため、検品精度を向上させられます。また、入荷・出荷データと在庫数と連動させることにより、システム上との在庫差異をなくして、在庫の不足・過剰を防ぐ効果も期待できます。

⑤棚出し・ピッキングの自動化

産業用ロボットを活用して、棚出しやピッキングを自動化する方法があります。

手作業で商品を格納する・取り出す・運搬するといった工程を自動化することで、作業品質を均一化できます。これにより、商品の取り違いや同梱物の入れ忘れなどのヒューマンエラーの削減を図れます。


>>関連記事:ピッキングを自動化する方法は? メリットとポイントも一挙解説

▼主なピッキングロボット

種類 概要 主な用途
AGV
(無人搬送車)
床面のセンサーやマーカーなどの誘導体に沿って決められた経路を走行する無人搬送ロボット 商品の保管場所への運搬、ピッキングした商品の出荷エリアへの運搬
AMR
(自律走行ロボット)
AIやカメラなどのセンサーで周囲を認識し障害物を避けながら自律走行する搬送ロボット 倉庫内の商品運搬、ピッキング作業のサポート
GTP
(棚搬送ロボット)
商品棚ごと移動させ、作業者の元まで自動で搬送するロボット ピッキングエリアへの商品棚の運搬
ピースピッキングロボット 商品の形状・位置を認識し、ロボットアームとハンドで自動的にピッキングを行うロボット 商品のピッキング、梱包前の仕分け


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EC物流を外部委託することも一つの方法

検品ミス 対策1_日本トータルテレマーケティング

EC物流の検品ミスを防ぐには、入出荷に関する業務体制の見直しやシステム・ロボットの導入などが必要です。自社のリソースやノウハウのみで対策が難しい場合には、物流代行サービスに委託することも一つの方法です。

▼EC物流を外部委託するメリット

  • 作業品質を向上・均一化できる
  • 倉庫スペースの維持管理コストを削減できる
  • システムやロボット導入による初期投資が不要になる など

EC物流現場に充てていたリソースを商品開発やマーケティングなどのコア業務に集中させることができるため、EC事業の持続的な成長につなげられます。

日本トータルテレマーケティング(NTM)では、EC物流のバックヤード業務を一括受託するフルフィルメント型の物流代行サービスを提供しています。入荷から出荷までのプロセスをデジタル化し、ロボットの協働で一部を自動化することで、効率的かつ安定した品質での作業を実現しています。
EC物流現場の人手不足や誤出荷の改善を図りたい方は、ぜひご検討ください。


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EC物流現場の検品ミスにお悩みの方へ

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EC物流現場での検品ミスは、EC運営の利益率や顧客満足度に影響する重大な問題です。紙ベースや人に依存したアナログな検品作業では、ヒューマンエラーが発生しやすくなるため、業務の標準化や自動化を図ることが重要です。

NTMの物流代行サービス『スゴロジ』では、人とロボットの協働による作業で、物流業務の省人化・効率化を実現しています。バックヤード業務をデジタル化し、一部を自動化する体制によって、安定した品質での作業が可能です。検品ミスにお悩みの方は、ぜひご検討ください。
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