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フルフィルメントサービス導入のメリット|顧客満足度と売上の最大化

2023.08.21
  • フルフィルメント

ECサイトでの注文から商品が届くまでには、多くの工程や人員が必要です。これらを自社で一手に担当することも可能ですが、それが負担となるケースもあります。今回は、物流業務を専門の業者に委託する「フルフィルメントサービス」と、そのメリットについて解説します。


スゴロジLP_フルフィルメントサービス_日本トータルテレマーケティング

フルフィルメントサービスとは?

「フルフィルメントサービス」とは、荷主から受ける物流業務全体の委託を受けるサービスです。これには受注処理からピッキング、梱包、出荷、そして配送までの工程が含まれます。
フルフィルメントサービスでは、注文者が商品を手にするまでの全体のプロセスを効率的に管理することが重要となります。
フルフィルメントサービスの「フルフィルメント」は、ECサイトでの注文から商品がお客様の手元に届くまでの一連の流れを指すマーケティング用語となります。英語の「fulfillment」から来ており、「実行」「遂行」「達成」といった意味がありますが、現在では通信販売やEC事業における一連の業務を指す用語として広く使われています。

3PLとは

3PLとは「3rd Party Logistics」の略で、荷主が物流業務を第三者に任せることを指します。3PLの活用により、物流業務の効率化を実現できます。一方、フルフィルメントサービスとは、受注処理や決済業務を含めた一連の業務を第三者に委託することを意味します。つまり、フルフィルメントサービスは3PLに比べて、より広範な業務を委託する形となります。

フルフィルメントサービス導入の5つのメリット

フルフィルメントサービスを導入することによって、以下のようにさまざまなメリットが得られます。

高品質な受注業務を実行できる

自社での物流業務運営は、時間とコストが高額になるだけでなく、事業規模の拡大に伴い品質維持が難しくなるリスクもあります。そのような場合は、フルフィルメントサービスの利用が重要となります。フルフィルメントサービスを利用すれば、物流の専門家が持つ豊富な経験と最新の技術を駆使して、一連の業務を代行してもらうことができます。競争が激しい市場においても、他社と競い合えるような高品質なサービスを提供することが可能です。

顧客の満足度を高める

ECサイトにおいて顧客満足度を高めるためには、商品自体だけでなく、発送からカスタマーサービスまで含めた全体のサービスにおける差別化が重要となります。事業拡大を行うと、業務が煩雑化し丁寧な対応が困難になり、結果としてクレームが発生することもあります。しかし、フルフィルメントの専門家に業務を委託することで、スピードと品質の両面における改善が可能となります。クレームが発生した場合も、多くの場合はカスタマーサポートや返品対応の流れが整備されているので、安心です。

固定販管費のコストカットによる利益の最適化

自社の事業規模が拡大すると、人件費や倉庫代などの固定費が増えます。そのような場合は、外部のフルフィルメントサービスを利用することで、効率的なコスト削減と収益改善を図ることが可能です。フルフィルメントサービスは複数の企業の物流業務を一貫して担い、コストを抑えたサービスを提供しています。さまざまな料金形態があるため、自社に最適なサービス・プランを選択すれば、コスト削減や収益改善が期待できるでしょう。

業務プロセスの改善

業務プロセスを改善するには、人員の配備やワークフローの整備が必要ですが、それには時間がかかります。しかし、フルフィルメントサービスを利用し、業務を他社に委託すれば、業務の効率化が可能です。事業を拡大しても自社の物流業務による負担は増えることなく、成長を支えることができます。

売り上げを伸ばすことにリソースを集中できる

事業が成長すると、物流業務が増加します。しかし、これらの業務を他社に委託することで、効率的に業務を進めることが可能です。委託により、人材や時間を基幹業務に集中させることができます。その結果、既存商品の改善や新商品の開発、さらにはプロモーションの企画実行といった売上拡大に向けた活動にリソースを注力することが可能となります。

導入のデメリット

フルフィルメントサービスを導入すると多くのメリットを得られます。しかし、以下のようなデメリットもあるので、それらを事前に把握しておくことが大切です。

発送までのプロセスの柔軟性が低下する恐れがある

自社で発送を行う場合は、急なキャンセル対応や謝罪の手紙の同封など、臨機応変な対応が可能です。しかし、フルフィルメントサービスでは、スピードと正確さを重視して機械的な作業が行われるため、自社のように臨機応変な対応が難しいケースもあるでしょう。そのため、自社で対応したい業務の希望がある場合は、委託する業者の対応範囲を事前に確認しておくことが大切です。

商品の状況がすぐにわからない

フルフィルメントサービスを利用すると、商品は自社ではなく外部の倉庫に保管されるため、常に目視で状態を確認することはできません。その結果、倉庫での保管状態や発送時の梱包方法、不良品や欠品の存在についてリアルタイムで把握することが難しくなります。これがフルフィルメントサービスの一つのデメリットと言えます。デメリットの解消には、信頼性の高いフルフィルメントサービス業者との強固なパートナーシップが不可欠といえるでしょう。

お客様との直接的なやり取りが減る

お客様の声は、商品改善に役立つ重要な情報源です。しかし、フルフィルメントサービスを利用すると、お客様との直接的なやり取りが減少します。そのため、フルフィルメントサービスを導入する場合は、ユーザーアンケートやSNSなどの手段を活用して、お客様の声を確認することが大切です。お客様との直接対話が減ることをカバーして、お客様の声を逃さず収集する仕組みを整えましょう。

フルフィルメントサービスの導入に向いている企業

フルフィルメントサービスにはコストが発生するため、全てのEC事業者が導入するべきとは限りません。導入に向いている企業の特徴は、以下のとおりです。

長年の運営で業務が煩雑になり効率が悪くなっている

ECサイトは、規模が大きければ大きくなるほど業務にさまざまなカスタマイズが加わるため、業務が煩雑になり、効率が悪くなっているケースがあります。組織全体の業務が煩雑になっており、自社だけで処理するのが難しいと感じているなら、フルフィルメントサービスを導入するタイミングといえるでしょう。

大規模なECサイト・通販事業を始める

フルフィルメントを導入するには、ある程度の準備期間が必要です。大規模なECサイトや通販事業を始める場合は、各現場に大きな負担がかかってしまうことがあるかもしれません。事業の規模が大きくなることが予測できる場合は、早期にフルフィルメントサービスを導入すると、スムーズに業務を行えるでしょう。

フルフィルメントサービスを導入する際に検討するポイント

フルフィルメントサービスを提供する企業は複数あるため、自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。こちらでは、サービスを選定する際のポイントについて解説します。

自社の戦略に沿った目的を持って、サービスを導入

フルフィルメントサービスを導入する際には、導入の目的を明確にすることが重要です。具体的には、どの範囲でサービスを利用し、どのような目的で利用するかを整理し、それに基づいて優先順位を決定します。委託する業務の選択、業務の効率化、配送スピードの改善など、達成したい目標を具体化することで、最適なサービスを選択し、ビジネスの成果を最大化することが可能となります。

システムの機能性と業務の内容を比較する

フルフィルメントサービスを比較する際には、注文翌日の配送や決済方法の種類など、さまざまな要素を考慮する必要があります。また、サービスの費用や、提供される業務の詳細についてもチェックが必要です。

特に、EC物流においては、システム導入が不可欠であり、多くの物流代行業者は自社でクラウド型の物流管理システムを開発しています。そのため、希望する機能が該当システムに完備されているかどうかも比較の重要なポイントとなります。各サービスの機能性と提供業務を慎重に比較し、自社のニーズに最適なサービスを選びましょう。

顧客対応の品質

顧客対応を含めた業務を委託する場合は、顧客対応の品質を確認することが重要です。顧客にとっては、サポートが内部運用か外部運用かは関係ありません。不良品の返品対応やお客様からのクレームへの対応方法を事前に確認しましょう。委託した顧客対応の品質は、自社ブランドの印象に直結するので注意が必要です。

商品の保管状態

商品の保管状態も、重要な選定ポイントになります。倉庫内が整理されているか、煩雑さがないかを事前にチェックしておきましょう。特に、商品の品質に温度が影響を及ぼす場合は、適切な室内温度が保たれているかも確認する必要があります。

サービス対応の柔軟性

フルフィルメント業務を外部に委託することで、その業務が自社の直接管理から外れることになります。そのため、在庫切れや商品欠陥など予期せぬ事態が発生した場合、直接的な対応ができません。そのような状況において、委託先がどの程度柔軟に対応できるかを事前に確認しておきましょう。万が一の事態に備えて共通認識をもっておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

フルフィルメント業務には、多くの工程、人員、リソースが必要です。自社で対応することも可能ですが、場合によっては負担になることもあるでしょう。今回は、フルフィルメントサービスのメリットとデメリット、そして導入を考える際に押さえておくべきポイントをご紹介しました。この機会に、自社の物流業務を見直し、フルフィルメントサービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。


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